FXの取引手法とは?初心者におすすめの手法や分析手法も解説!

FXの取引手法とは?初心者におすすめの手法や分析手法も解説!

FXを始めた際、まず確認しておきたいのが「FXの取引手法」です。取引手法には「順張り」や「逆張り」、またポジションの保有期間によって「デイトレード」「スイングトレード」といった取引スタイルがあり、自身に合った手法やスタイルを選ぶことが重要です。

そこで本記事ではこうしたFXの取引手法に関する項目について詳しく解説します。

【この記事を読むとわかること】

  • FXの取引手法の概要
  • FXの取引スタイル
  • 相場の分析方法
  • FX取引時の注意点
  • 初心者におすすめな取引手法

どのようにFX取引をすべきか悩んでいる初心者の方はぜひ参考にしてください。

FXの取引手法とは

FXの取引手法とは

まずは、FXの取引手法の基本的な考え方について解説します。

基本的な取引の考え方

FXには「順張り」および「逆張り」という取引手法があります。

まず順張りは、相場のトレンド(方向性)に沿って取引を行う手法です。順張りでは「このまましばらく上昇(下落)する可能性がある」と考えて、トレンドに沿った売買を行います。よって、上昇局面では「買い」、下降局面では「売り」でエントリーします。

次に逆張りは、相場のトレンドに逆らって取引を行う手法です。逆張りでは「価格がだいぶ上がったから(下がったから)、そろそろ下がる(上がる)可能性がある」と考え、トレンドに逆らった売買をします。よって、上昇局面では「売り」、下降局面では「買い」でエントリーするのが基本です。

ここで、このふたつの取引手法のメリット・デメリットも押さえておきましょう。

順張り逆張り
メリット・ 「逆張り」と比べてエントリータイミングが分かりやすい
・ トレンドが続けば、利益を伸ばせる
・ レンジ相場でコツコツと利益を積み重ねやすい
・ トレンド相場・レンジ相場の双方で有効なため、取引機会が多い
デメリット・ トレンドが切り替わるタイミングでエントリーすると損失が出やすい
・ レンジ相場では利益を伸ばしづらい
・ 「順張り」と比べてエントリータイミングが難しい
・ トレンドが切り替わらない場合、損失が拡大しやすい

順張りの考え方は比較的シンプルで、エントリータイミングも分かりやすいといえます。一方の逆張りは、順張りの逆の考え方となりますが、相場の7割を占めると言われるレンジ相場(一定の範囲内で価格が上下に変動する相場)との相性が良く、レンジの下限付近と上限付近でうまく売り買いができれば、コツコツと利益を積み重ねられる可能性があります。

FXの取引スタイルとは

FXの取引スタイルとは

FXにおける取引スタイルは、ポジションを保有する期間に応じて以下4つに分類されます。

  • スキャルピング
  • デイトレード
  • スイングトレード
  • ポジショントレード

なお、先述した「順張り」と「逆張り」は「相場の流れ(トレンド)への対応」に応じた取引戦略による分類です。一方、上記4つは「ポジションの保有期間」による取引スタイルの分類になります。

ここでは4つのスタイルのメリット・デメリットを見ていきましょう。なお、以下の記事も合わせて参考にしてください。

参考:投資スタイルを決めよう

【超短期】スキャルピング

スキャルピングとは数秒~数分単位で短期決済をするスタイルのことです。短時間のうちに何度も売買を行うことで、細かく利益を積み重ねていきます。メリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・ 1回の取引における損失リスクが小さい
・ 取引回数が増えるため、経験を積みやすい
・ 資金効率が良く、短時間で利益を重ねやすい
・ 細かく取引するため、1回の取引における利益は少ない
・ 取引回数が多いため実質的なコストであるスプレッドがかさむ
・ 取引中は相場から目を離せない

スキャルピングはポジションを保有する時間が非常に短く、突発的な相場変動に巻き込まれるリスクを抑えることができます。一方、取引中は相場に張り付き、為替レートの動きに対して瞬時に判断することが求められます。そのため、取引をするためにまとまった時間を確保できる方に向いているスタイルと言えるでしょう。

関連記事:FXのスキャルピングについて知りたい!
関連記事:FXでかかる手数料は

【短期】デイトレード

デイトレードとは数時間〜1日で取引を完結するスタイルのことです。スキャルピングほどではありませんが、1日に何度も取引を行って利益を積み重ねていきます。メリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・ 夜中の価格変動を気にする必要がない
・ スキャルピングと比べて1回の取引で大きな利益を狙える
・ スイング・ポジショントレードと比べると1回で大きな利益は期待できない
・ 取引中は相場から目を離せない

1回の取引における利益額・損失額はともにスキャルピングよりも大きくなる傾向があります。また1日の中で決済をするため、夜中の価格変動を気にする必要もありません。そのため、夜中の値動きが気になる方にとっては精神的負担の少ないスタイルと言えます。ただし、取引中に相場の動向を見守る必要がある点は、スキャルピングと同様です。

【短~中期】スイングトレード

スイングトレードとは2日〜数週間程度で決済をするスタイルのことです。メリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・ スキャルピングやデイトレードと比べ、1回の取引で大きな利益を期待できる
・ スワップポイントを受け取れる可能性がある
・ 取引にかかる時間的な制約が小さい
・ 大きな利益を狙える反面、損失も大きくなりやすい
・ スワップポイントによる損失が発生する可能性がある
・ スキャルピングやデイトレードと比べて資金効率が悪い

スキャルピングやデイトレードと異なり、スイングトレードはポジションを翌日以降に持ち越します。そのため、スキャルピングやデイトレードと比べると期待できる利益が大きくなりやすいと言えます。

また、FX取引では米ドル/円など2ヶ国の通貨を使って取引をしますが、この2ヶ国間の通貨の金利差によって生じる利益もしくは損失のことを「スワップポイント」と言います。このスワップポイントは日をまたいでポジションを持っている場合に付与されるため、スイングトレードではスワップポイントによる利益もしくは損失が発生する点も特徴です。
関連記事:FXで得られる利益

スイングトレードは取引の時間軸が長く、1日に数回程度の為替レートのチェックで済むため、日中は家事や仕事などで忙しい方でも取り組みやすいスタイルと言えるでしょう。

【中~長期】ポジショントレード

ポジショントレードとは1週間〜数ヶ月のスパンで売買するスタイルのことです。長期でポジションを保有しながら、じっくりと利益を狙います。そのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・ 1回の取引で大きな利益を狙える
・ 取引にかかる時間的な制約が小さい
・ スイングトレードと比べ、多くのスワップポイントを受け取れる可能性がある
・ 1回の取引で大きな損失を被るリスクがある
・ スイングトレードと比べ、スワップポイントによる損失がより大きくなる可能性がある
・ 含み損に耐える期間が長引くことがある

ポジショントレードにおける為替レートのチェックは多くても1日1回程度で済むため、まとまった取引時間を取れない方に向いている取引手法です。また、1回の取引で大きな利益を狙うことや、長期間ポジションを保有することで、多くのスワップポイントを受け取ることも可能です。

一方で、一回の取引で大きな損失を被るリスクが大きくなるほか、スワップポイントによる損失が大きくなる可能性はあります。また、含み損に耐える期間が長くなった場合には、精神的な負担を感じるかもしれません。

FX相場の分析方法

FX相場の分析方法

FXの相場の主な分析方法は、「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」の2つがあります。ここでは両手法の基本を学んでいきましょう。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去の価格変動パターンや出来高などを分析し、将来の価格変動を予測する分析手法です。一般的には「テクニカル指標」と呼ばれる価格変動を予測する指標を用いて分析を行います。

分析対象はチャート上の情報のみのため、各国の経済や政治情勢などに関する知識は、必ずしも必要としません。

テクニカル分析は「トレンド分析」と「オシレーター分析」に分けられます。

概要用いられるテクニカル指標の例
トレンド分析相場のトレンドを見極める分析手法・ 移動平均線:一定期間の価格の平均を視覚的に表す指標

・ ボリンジャーバンド:相場の値動きの上限と下限を統計的に示す指標
オシレーター分析トレンドの強弱・過熱感を測る分析手法・RSI:相場の強さを0〜100の範囲で表す指標
 
・ストキャスティクス:一定期間の高値と安値から、買われすぎ(売られすぎ)かどうかを示す指標

トレンド分析とオシレーター分析を組み合わせることで、互いのデメリットを補完することもでき、結果としてより的確な取引判断につながる可能性があります。

関連記事:FXのテクニカル分析とは?メリット/デメリットや指標の種類について解説!

また、テクニカル分析に欠かせないのが「ローソク足」に関する知識です。ローソク足とは、チャート上で「始値・高値・安値・終値(=4本値)」を表したものです。ローソク足は始値よりも終値が高い「陽線」と、始値よりも終値が低い「陰線」に大別され、その形によってシグナルが異なります。

ローソク足の見方については、以下を参考にしてください。

関連記事:FXのローソク足とは?種類や読み解き方、活用時の注意点などを解説

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析とは、各国の政治動向や経済情勢などを踏まえて、相場や価格の動向を予測する分析手法です。具体的には、各国の金融政策や経済指標の結果、要人発言などから総合的に分析します。

ファンダメンタル分析のメリットは、より中長期的な価格動向を分析し得ることです。ただし、有効なファンダメンタル分析のためには、政治や経済などに関する一定の知識が不可欠です。例えば、経済指標の結果を見極める知識や、有識者の見解を解釈することが求められますが、これらを身に付けるためにはある程度の時間と労力をかける必要があるでしょう。

ファンダメンタル分析については、以下の記事でも詳しく解説しています。

関連記事:FXのファンダメンタル分析とは?テクニカル分析との違いや、分析対象、注意点を解説!

FX取引で押さえておきたい5つのポイント

FX取引で押さえておきたい5つのポイント

実際に取引を行う際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。FX取引をする上で押さえておきたいポイントを5つ解説します。

分析手法は「絶対ではない」ことを理解する

テクニカル分析やファンダメンタル分析は、相場動向を予測するための手法にすぎず、絶対的な判断材料ではありません。両手法はあくまで「参考材料」として用いるようにしましょう。

自分の中で取引のルールを決める

取引していると「ここで損切りをするのはもったいないな…」など、自身の感情に左右されることがあります。しかし、そうした感情に任せて取引していると、思わぬ損失につながってしまう可能性がある点には注意が必要です。

感情的な取引を防ぐためには、自身の取引ルールを決めることが有効です。特に、損失を拡大させないための損切りルールは必須と言えるでしょう。

<損切りのルール例>

  • ○%下がったら決済する
  • エントリーした理由が崩れたら決済する
  • 含み損が○○円になったら決済する

また、余剰資金で取引をすることも重要です。もし生活資金を投入して取引を行い、大きな損失を出した場合、実生活の資金が不足してしまいます。よって、余剰資金で取引することをルール化しておくとよいでしょう。

取引を行う時期や時間帯の傾向を把握する

FX取引は、その時期や時間帯によって値動きや流動性(売り買いの成立のしやすさ)の傾向が異なります。その傾向を押さえ、取引する時間帯を決めておくことも重要です。

例えば、次のような傾向を把握しておくとよいでしょう。

<取引時期・時間帯の傾向例>

  • 市場の開始直後は値動きが激しくなりやすい
  • 早朝やクリスマス前後、年末年始は、流動性が低くなりやすい

特に、小さな利幅を狙うスキャルピングやデイトレードは、値動きや流動性の影響を受けやすくなります。傾向をよく把握しておきましょう。

過去の市場や自身の取引を振り返って分析する

過去の相場の動きや自身の取引行動は、随時分析しましょう。これらを振り返ることで、同じような状況になった際、取引のヒントにできます。

例えば、今月の米国の雇用統計が発表される前に「先月は雇用統計の結果が予想よりも悪く、円高が進んだ」などという事実を思い出しておけば、今回の取引に反映させることが可能です。

また自身の取引行動についても「どのような感情でどう取引をしたのか」を振り返ることで、失敗を繰り返す確率を下げることにつながります。例えば「大きな損失を取り返そうと高いレバレッジをかけて取引したが、冷静な判断ができずに損失を拡大してしまった」という振り返りができていれば、次は同じ失敗をせずに済むでしょう。

ナンピンや両建てを過剰に行わない

「ナンピン」とは、含み損が出ている状況で買い増し・売り増しを行うことです。また「両建て」とは、同じ通貨ペアにおける「買い」と「売り」の両方のポジションを持つことを指します。

ナンピンは含み損の早い減少が見込める一方、為替が想定と異なる値動きをした場合には損失が拡大してしまいます。損失拡大リスクを懸念して、ナンピンを行わない投資家もいるほど、注意が必要な手法です。もしナンピンする場合でも最小限に留めるとよいでしょう。

両建ては、含み損を減らす効果が期待できる一方で、取引コストが二重に発生することやロスカットのリスクが増加することなどから、一般的には推奨されていません。経済指標の発表時における相場変動リスク軽減や、年を跨いでポジションを保有する際の税金調整など、両建てを検討できる場面はごく限定的だと考えましょう。

※両建ては経済的合理性を欠く取引であり、LINE FXでは推奨していませんので、お客様ご自身の判断でお取引ください。

関連記事:両建てとは?FXにおけるメリット/デメリットや活用の場面を解説!

初心者におすすめのFX取引手法

初心者におすすめのFX取引手法

初心者にはなるべく損失リスクを抑えられる取引手法がおすすめです。具体的には以下の通りです。

  • 通貨ペア:人気があり、取引量の多い通貨ペア(例:米ドル/円、英ポンド/円、ユーロ/円など)
  • 取引金額:数千円~数万円程度の必要証拠金で取引できる金額(例:米ドル/円の場合、1,000通貨をレバレッジ3倍で注文するなら5万円程度が必要)
  • 順張り、逆張り:エントリータイミングが分かりやすい「順張り」
  • 注文方法:初心者にも分かりやすい「成行注文」
  • 分析手法:経済の知識が豊富でなくとも有効な分析が可能な「テクニカル分析」
  • 注意点:ナンピンや両建ては行わない。損切りを確実に実行する

※1米ドル=145円の場合

FXを始めてすぐのタイミングでは「せっかく取引するなら、まとまった利益を得たい」といった気持ちになるかもしれません。しかし、FXで安定的に利益を上げていくためには、何よりも経験を積むことが大切です。

取引量の多い通貨ペアを選ぶと、流動性が高まり、注文が成約しやすくなります。また、高いレバレッジをかけると損失が拡大しやすくなるため、初心者のうちはレバレッジを低くしておくのが得策です。まずは上記を参考に損失リスクを抑えた取引を行い、さまざまな経験を積んでみてはいかがでしょうか。

そして取引を通して相場との向き合い方を学びながら、ぜひ自身に合った取引手法を見つけてみてください。

よくある質問

最後にFXの取引手法に関するよくある質問を3つ紹介します。

テクニカル分析とファンダメンタル分析のどちらから学ぶべきですか?

どちらの分析手法も重要ですが、テクニカル分析から学ぶのが一般的です。そしてゆくゆくはファンダメンタル分析も学び、自分なりの使い分け方を見つけることが大切です。

関連記事:
FXのテクニカル分析とは?メリット/デメリットや指標の種類について解説!
FXのファンダメンタル分析とは?テクニカル分析との違いや、分析対象、注意点を解説!

どの通貨ペアから取引を始めるべきですか?

米ドル/円やユーロ/円、英ポンド/円など、比較的値動きが安定しており、かつ取引の参考となる情報が豊富な通貨ペアから取引を始めるのがおすすめです。

関連リンク:通貨ペアの選び方

どのような情報源を参考にすればよいですか?

FX会社が提供するマーケット情報や経済指標カレンダー、金融ニュースサイト、専門家の分析記事などの信頼できる情報源を参考にしましょう。

関連リンク:
イベントカレンダー
経済指標・イベント見通し
金融政策・各国見通し
LINE FX担当者のチャートのつぶやき
米国雇用統計

まとめ

FXの主な取引手法は、トレンドに沿って売買する「順張り」と、トレンドに逆らって売買する「逆張り」の2つがあります。また、ポジションを保有する期間によって「デイトレード」や「スイングトレード」などのスタイルもあります。どのような取引手法や取引スタイルを採用するか、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自身の取引目的や意向と照らし合わせて検討しましょう。

なお、FX初心者の場合は、なるべく損失リスクを下げるため、まずは米ドル/円や英ポンド/円など流動性の高い通貨ペアを、順張りで取引してみるのがおすすめです。その際は、損切りルールなどを定めてから実行するとよいでしょう。そして時々、過去の取引を振り返りながら、取引経験を積み重ねていってはいかがでしょうか。

新規口座開設+条件達成で5,000円プレゼント

取引画面はこちら

新規口座開設+条件達成で5,000円プレゼント

取引画面はこちら

関連リンク:
投資スタイルを決めよう
通貨ペアの選び方
FXのテクニカル分析とは?メリット/デメリットや指標の種類について解説!
FXのファンダメンタル分析とは?テクニカル分析との違いや、分析対象、注意点を解説!
成行注文/指値注文/逆指値注文
IFD注文/OCO注文/IFD-OCO注文
イベントカレンダー
経済指標・イベント見通し
金融政策・各国見通し
LINE FX担当者のチャートのつぶやき
米国雇用統計

監修者情報

伊藤亮太
伊藤亮太

ファイナンシャルプランナー、伊藤亮太FP事務所代表、スキラージャパン株式会社取締役

慶應大学大学院商学研究科修了後、証券会社にて営業・経営企画部門、社長秘書等を行う。また、投資銀行業務にも携わる。現在、資産運用と社会保障(特に年金)を主に、FP相談・執筆・講演を行っている。東洋大学経営学部ファイナンス学科非常勤講師、早稲田大学エクステンションセンター講師。CFP®認定者(日本FP協会)。

公式サイト:https://www.ryota-ito.jp/

URLをコピーしました