自分に合った投資スタイルはどれ?
FXでは、投資金額や通貨ペア、レバレッジ、保有期間などがFXの損益に大きく影響します。自分の性格やライフスタイルなどを考慮して、自らの基本的な投資スタイル(トレードスタイル)を決めておくとよいでしょう。
FX取引には、次の4つの投資スタイルがあります。
①スキャルピング
スキャルピングは短時間に何度も売買を繰り返す取引手法です。小さい利益を積み上げることでトータルで大きな利益を獲得することを狙っていく投資スタイルです。
エントリーしてから数秒から長くても数分で決済します。そのため、FX取引のためにまとまった時間が取れない方でも、隙間時間に集中して取り組むことが可能です。小さい値動きでエントリーと決済を繰り返すため、1回ごとに得られる利益は少なく、取引回数を積み上げることで大きな利益を狙います。
日を跨がない取引になるので、売買する2ヵ国間の金利差によって発生する「スワップポイント」(インカムゲイン)は得ることができませんが、マイナススワップによる影響を受けないメリットもあります。狙う利幅が極端に狭いので、一般的に高いレバレッジをかけて取引に臨む傾向があります。
短期間取引で、取引中は取引画面を見ており、損失が膨らむ前に決済するのが基本なため、1回の取引で大きく負けるリスクが少ないというのも特徴です。
また、スキャルピングは取引回数が増えるため、FXの取引経験を積みやすいという特徴があります。ただし、基礎知識がなく繰り返しても勝率は上がりづらいため、基礎知識をつけてからのスキルアップには適していると言えそうです。
②デイトレード
デイトレードはエントリーから決済までの期間がスキャルピングよりも長いが、当日中に決済を完了させる投資スタイルです。
長期的なトレンドを追うのではなく、短期的な相場の変動を利用して利益を積み上げていきます。
短期間での取引にはなりますが、超短期間で取引をするスキャルピングよりは取引回数は少なくなります。こちらも日を跨がない取引になるので、スワップポイント(インカムゲイン)は得ることができませんが、マイナススワップによる影響を受けないメリットもあります。なお、狙う利幅が狭いので、一般的にやや高いレバレッジをかけて取引に臨む傾向があります。
ポジションを一晩保持しないため、寝ている間に為替レートに大きな影響を与えるニュースがあり、相場が大きく変動するなどの影響を心配する必要がありません。一方で取引するタイミングを見定めるためにも世界各国の重要指標発表のタイミングなどはしっかりリサーチしていく必要はあります。
③スイングトレード
2日から1週間程度で決済する投資スタイルです。
デイトレードは日を跨がないのに対し、こちらは「日を跨ぐ」イメージとなります。数時間から数日間にかけて為替の動向をチェックして取引するので、利幅はある程度広く取ることができ、1回ごとに得られる利益はやや多めになります。日を跨ぐ取引になるので、スワップポイント(インカムゲイン)を得ることもできます。なお、取引期間がある程度長く、狙う利幅が比較的広いので、一般的にあまりレバレッジをかけて取引には臨まない傾向があります。
1日に数回程度の為替レートのチェックで済むので、日中仕事や家事の合間などの時間や昼休み、帰宅後でも確認できます。会社員や主婦などに向いています。一方で、急激に為替レートが変わった時には利益や損失を見逃してしまう可能性もあります。
④ポジショントレード
1週間から数ヵ月程度で決済する投資スタイルです。
長期で保有してじっくりと大きな利益になるまで狙うイメージになります。数週間から数ヵ月にかけて為替レートを確認するので、利幅は広く取ることが可能となり、1回で得られる利益が多くなります。こちらも日を跨ぐ取引になるので、スワップポイント(インカムゲイン)を得ることもできます。なお、取引期間が長く、狙う利幅が広いので、一般的にあまりレバレッジをかけて取引には臨まない傾向があります。
じっくり時間をかけて取引をするので、1日1回程度の為替レートをチェックするだけで済みます。忙しい方や気軽に投資体験をしてみたい方に、そして為替レートにドキドキしたくない方に向いています。一方で、急激に為替レートが変わった時には利益や損失を見逃してしまう可能性もあります。
FX取引の4つの投資スタイルについて解説しました。「こんな投資スタイルがあるんだ」と理解しておいて、実際にFX取引をしてみて途中で投資スタイルを決めたり、変更したりするのでもよいと思います。
大切なのは、何も考えずにやみくもにFX取引をするのではなく、自分の中でどんなスタイルで取引をするのがベストなのかを考えることなのです。
【まとめ】
- 自らの基本的な投資スタイルを考えてみよう
- 短期でコツコツタイプの「スキャルピング」、その日のうちにタイプの「デイトレード」、バランスタイプの「スイングトレード」、じっくり長期安定の「ポジショントレード」の中から自分に合うスタイルを選ぼう