ドル円、財政拡張期待から底堅い
- ドル円、高市首相のPB単年度黒字化目標の取り下げが支え
- ドル円、米政府再開も政情不安残る
- ユーロドル、米経済指標次第の展開
予想レンジ
| 153.00-159.00円 | 1.1400-1.1800ドル |
11月17日週の展望
ドル円は、底堅い動きとなりそうだ。高市政権による積極財政への期待感は衰えておらず、円売り地合いが来週も継続するだろう。先週から今週にかけて行われている衆参予算委員会での高市首相の発言を振り返ると、最も印象的だったのが基礎的財政収支(プライマリーバランス)の単年度での黒字化目標の取り下げを突如表明したこと。政府が長年掲げてきた財政健全化目標を緩めることで、機動的で積極的な財政出動を可能にするとの見方が広がっており、来週以降も高市トレードを意識した円売り・株買いの流れとなりそうだ。
また、今週は史上最長となる43日間の米政府機関閉鎖が解除され、不安材料が減ったこともリスクオンの円売りを誘導した面があった。ただ、この閉鎖により1000億ドルほどの経済損失が発生したほか、米国民の航空移動などにも大きな支障を与えたことでトランプ政権の支持率は一段と低下しており、今後の政局不安は残ったままとなっている。
米経済指標に目を向けると、10月分の雇用統計と消費者物価指数(CPI)が公表されない可能性をホワイトハウスが示唆。市場が最も注目する両指標の公表に時間を要することも想定される。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が50%台まで低下。完全に織り込まれていないなかで、金利の先行き不透明感もまた解消されないだろう。そのため、18日にADPが発表する予定の週次の民間部門雇用者数に注目が集まりそうだ。なお、9月分の雇用統計については、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長が「来週に発表される可能性がある」ことを示唆しているが、古いデータであるため限定的な反応にとどまりそうだ。また、来週は17日に11月NY連銀製造業景気指数、20日に11月フィリー指数、21日に11月購買担当者景気指数(PMI)速報値や11月ミシガン大消費者態度指数速報値の発表も予定されているが、その他にも米政府機関再開を受けて、変則的に指標が公表される可能性も考慮しておきたい。
ユーロドルはドルの動向次第の展開となるだろう。米政府機関閉鎖が解除されたことで市場の注目が米経済状況に移ったため、これまで以上に米指標への反応は大きくなりそうだ。欧州指標としては、週末21日に各国のPMI速報値が予定されている。
11月10日週の回顧
ドル円は強含み。米政府機関再開への期待を背景に週明けから買いが強まった。週半ばには弱い米民間雇用指標を受けて伸び悩む場面も見られたが、下値は限定的。連日で本邦実需勢の買いが観測されたほか、世界的な株高も支えに一時155.04円まで上昇。2月4日以来の高値を付けている。ユーロドルは下値が堅い。全般リスクオンの動きが支えとなったほか、週後半にかけてはドル売りが強まった影響を受けて一時1.1656ドルまで買い戻しが進んだ。
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