【25年10月31日】LINE FX週間レポート(ポンド、カナダドル)

ポンド、年内の利下げを見極め

  • ポンド、MPCで金利据え置き予想も12月利下げの手がかり見極め
  • ポンド、予算案関連のヘッドラインには引き続き注意
  • 加ドル、米国との貿易摩擦が重し

予想レンジ

GBP/JPYGBP/JPYCAD/JPY CAD/JPY
200.50-205.50円108.50-112.00円

11月3日週の展望

 ポンドは、11月6日に予定されているイングランド銀行(英中銀、BOE)の政策金利の発表と声明に注目。9月会合以降、市場ではいったん年内の利下げ観測が後退したが、6-8月雇用データで賃金の伸びが鈍化し、景気や労働市場の低調が確認されたことや、9月消費者物価指数(CPI)が市場やBOEの予想を下回ったことを受けて年内利下げ思惑が再燃した。来週の会合では、金利の据え置きが決定され、利下げは12月会合になるとの見方が強まっているが、一部では来週会合での利下げを見込む動きも見られている。

 来週の会合で大方の予想通りに政策金利の据え置きが決定されたとしても、利下げを主張したメンバーの人数や、声明内容で12月会合での利下げの手がかりを見極めることになる。9月会合では7対2で据え置きが決定され、ディングラ委員とテイラー委員が0.25%の利下げを主張した。

 また、英財政と景気減速への懸念がポンドの上値圧迫要因となっている中、11月26日に予定されている政府の予算案が注目されているが、現状では増税や歳出削減は必至。リーブス英財務相は「所得税、国民保険料、付加価値税(VAT)、法人税を引き上げない」という労働党の選挙公約を守るとしていたが、最近は所得税の基本税率引き上げや課税基準額の変更などの選択肢に対して、「党の主要公約を撤回するかどうかについて協議している」と伝わっている。スターマー英首相も増税はしないという政権の公約を改めて明言するのを避けている。

 加ドルは小動きが続いているが、トランプ関税懸念で加ドルは買いが強まりにくい。カナダ・オンタリオ州の関税批判広告に激怒したトランプ米大統領は、「カナダとの貿易交渉を打ち切る」と宣言。追加関税をかけると通告したが、30日には「カーニー加首相との会談が非常に良かったと」述べた。二転三転するトランプ発言に振り回されるが、トランプ関税の加経済への悪影響は明らか。関税交渉で進展が見られなければ加ドルの重い動きは続くだろう。

 また、カナダ中銀(BOC)は今週の会合で市場予想通りに政策金利を0.25%引き下げ2.25%とした。声明では、成長見通しを下方修正したほか、経済の先行きに慎重な姿勢を示したが、「政策金利は概ね適切な水準にある」と、市場の追加緩和観測をけん制している。加国内では来週、10月雇用統計が発表される予定で、米国との貿易摩擦の影響を見極める動きが続きそうだ。


10月27日週の回顧

 注目の日米金融政策イベントはドル高・円安に振れた。また、米中首脳会談は一定の合意に達し、両国の関係悪化への懸念は後退。ポンドは年内利下げ思惑の再燃も重しに軟調な動きとなり、対ドルでは1.31ドル前半まで弱含んだ一方、対円では200円半ばで下げ渋ると203円前半に切り返した。加ドルはBOCが追加利下げに慎重姿勢を示したことが支えとなり、ドル/加ドルは一時1.38加ドル後半、加ドル円は110円前半まで加ドルの買戻しが進んだ。


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この記事の編集者

LINE FX 編集部

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