ドル円、高市トレードを慎重に見極め
- ドル円、「高市トレード」を見極めつつ円買い介入の可能性にも注意
- 米政府機関閉鎖が続いた場合、FOMC前に米重要指標を確認できない事態に
- ユーロドル、フランス政局やトランプ米政権によるEUへの新提案に警戒
予想レンジ
150.00-156.00円 | 1.1400-1.1750ドル |
10月13日週の展望
ドル円は、米労働省が閉鎖されているため9月のCPIやPPIの発表は見送られ、28-29日のFOMCに向けた判断材料が乏しくなる可能性が高まる中、高市自民党総裁の経済政策「サナエノミクス」(積極的な財政政策と緩和的な金融政策)を背景にした「高市トレード」の射程を見極めていく展開。投機筋は、先週までの円買い持ちポジションを手仕舞い、高市新政権の下でのドル高・円安の長期化に備えて、2024年にドル円を161円台まで押し上げたような「円キャリートレード」を構築しつつある可能性が高い。一方、本邦通貨当局が、当時と同様に輸入インフレ上昇を受けた物価高抑制のためにドル売り・円買い介入に踏み切るタイミングにも要注意。
なお、高市氏は「私の立場で利上げそのものについて発言すべきでない。行き過ぎた円安を誘発するつもりはない。財政健全化が必要ではないと言ったことは一度もない」と述べており、サナエノミクス修正の可能性にも警戒が必要。20日週に開催予定の臨時国会で次期首相が指名され、高市新首相が誕生する予定。リスクシナリオは、公明党(24議席)が連立政権を離脱した場合か。
ほか、30-31日の日銀金融政策決定会合での利上げ観測は後退しているものの、16日の田村日銀審議委員(9月会合で0.75%への利上げ主張)や17日の内田日銀副総裁の講演には注目しておきたい。また、15-16日のG20財務相・中央銀行総裁会議では、ベッセント米財務長官が植田日銀総裁に対して円安抑制のための利上げを要請する可能性があることにも注意だろう。
米国では、28-29日のFOMCでの判断材料となる15日発表の地区連銀経済報告で、米国の雇用情勢や物価情勢を確認することになるだろう。ただ、米政府機関閉鎖が続いた場合、15日の9月CPIや16日の9月PPI、小売売上高の発表が先送りされるため、FOMCでは9月の雇用統計や物価指標などの重要なデータを確認できないまま迎えることになる。
ユーロドルは、フランスの政治動向や予算案への警戒感、トランプ米政権による欧州連合(EU)への新たな提案への警戒感などから上値が重い展開が予想される。米国とEUは貿易合意を締結していたが、新たな提案は貿易合意を骨抜きにしかねない内容とのことで、欧米通商摩擦再燃への警戒感が高まっている。経済指標は14日に10月独ZEW景況指数、15日に8月のユーロ圏鉱工業生産の発表が予定されている。
10月6日週の回顧
ドル円は、高市自民党総裁が選出されたことで、週明けから窓を開けて急伸。連日の「高市トレード」(日本円売り・日本株買い)により、153.23円まで上昇している。ユーロドルは、フランスの政情混迷や財政赤字への警戒感が高まり、1.1731ドルから1.1542ドルまで下落した。ユーロ円は円全面安の展開の中で史上最高値となる177.94円まで上昇した。
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