ポンド、雇用データやGDPに注目
- 来週も高市トレードの円相場が主役か
- ポンド、6-8月雇用データや8月GDP・鉱工業生産などに注目
- 加ドル、円やドルに左右もBOCの利下げ継続観測が重し
予想レンジ
202.00-206.00円 | 107.50-111.50円 |
10月13日週の展望
来週も引き続き高市トレードが続いている円相場や、米政府機関の一部閉鎖に絡んだドル相場が主役となりそうだ。日本の首相指名選挙などを実施する臨時国会の召集日が21日ごろまで先送りされる可能性があり、来週も高市氏の「積極的な財政政策と緩和的な金融環境」志向を背景とした円売り圧力は払しょくされにくく、対円で調整売りが進んだとしても浅めにとどまりそうだ。
ポンドは、来週発表予定の6-8月雇用データや、8月GDP・鉱工業生産・製造業生産指数などで、賃金・景気動向を見極めることになる。5-7月の賃金は前年比4.7%と4-6月から伸びが鈍化し、失業率は4.7%と21年第2四半期以来の高水準を維持した。また、7月の鉱工業生産、製造業生産は前月比マイナスとなった。政策金利の据え置きを決定したイングランド銀行(英中銀、BOE)の9月会合以降、市場では年内の追加利下げ思惑が後退し、利下げは来年2月に先送りされるとの見方が強まっているが、労働市場が低迷し、景気鈍化への懸念が強まれば、年内の利下げ再開への議論が高まる可能性がある。
なお、ポンドにとっては11月に秋季予算案の発表を控え、財政懸念が引き続き足かせとなる。リーブス英財務相は財政目標の達成軌道を維持するため、秋の予算で増税を行うと見込まれており、経済成長の加速を一段と難しくする可能性がある。目先は、債券発の金融市場の動揺が繰り返される可能性には要注意だ。
来週、加国内では8月住宅建設許可件数や8月卸売売上高などの発表が控えているが、加ドルの動意につながる可能性は低く、円やドルに左右される動きが見込まれる。もっとも、今月末のカナダ中銀(BOC)会合で追加利下げに踏み切るとの見方も強く、加ドルの上値は重い。最近のカナダの労働市場は失速が見られ、第3四半期の経済成長率の見通しも思わしくない。
今週、トランプ米大統領とカーニー加首相は首脳会談を行った。カナダにとっては8月以降に課されている35%関税の引き下げが焦点だったが、合意には至らなかった。ただ、米関税措置に直面している鉄鋼・アルミニウム部門などの将来について「見解の一致」に達したとし、今後数週間で主要分野に関する合意形成に取り組むことになった。カナダの8月貿易収支は63.2億加ドルの赤字と赤字額は予想を上回った。最大の貿易相手国である米国だけでなく、他の国・地域への輸出が減少したことが要因となった。
10月6日週の回顧
4日の自民党総裁選で高市氏が勝利したことを受けて、週明けから円が急落。ポンド円は昨年7月以来の205円台乗せ。加ドル円は109円後半まで強含み、1月以来の110円台回復に迫った。米政府機関の一部閉鎖を受けて注目の米経済指標の発表が延期されたこともあり、対ドルでは値動きが限られたが、ドル円主導のドル高で上値は重く、ポンドドルは1.32ドル後半まで下落。ドル/加ドルは1.40加ドル台まで加ドル安となった。
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