豪ドル、9月雇用統計に注目
- 豪ドル、9月雇用統計に注目
- ZAR、日米欧の政局不安で買い意欲が強い
- 豪ドル・ZAR、首相指名遅延が逆に高市トレードへの期待高める可能性
予想レンジ
98.50-103.00円 | 8.70-9.20円 |
10月13日週の展望
豪ドルは対円、対ドルともに堅調地合いを維持しそうだ。ただし、日米の政治状況に変化が生じた場合は、相場展開が急変するリスクもあり、警戒を怠らないようにしておきたい。
豪ドル円は昨年11月以来となる3桁の水準まで上がってきている。4日の自民党総裁選で高市早苗氏が勝利を収めたことで、財政拡大路線と日銀が利上げに消極的になるとの期待が、日本株高と円安を促している。首相指名が20日以降にずれ込むとの報道もあり、高市政権の具体的な経済政策が判明しない場合は、むしろ期待感だけが先行して「高市トレード」が反転するのは難しくなる。豪ドル円はさらに上値を広げる可能性が高いだろう。ただ、高市政権の副総裁と幹事長に、12年弱にわたり財務相を務めた麻生氏と鈴木氏が就任したことは注目に値する。両氏が財務省の意向を組み、財政拡大に反対を唱えることも考えられ、高市氏が目論むような積極財政とならなければ、為替市場も株式市場も反動が大きくなるリスクもある。その中でもリスク回避の動きに敏感な豪ドルは大きな影響を受けることになるだろう。
豪州の経済指標では、16日に発表予定の9月雇用統計が注目される。先月末に行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、雇用市場に関しては「ここ数カ月で概ね安定している」との見解が示された。失業率が4%を下回るほど改善した場合は再利下げが遠ざかり、豪ドルは素直に買われるだろう。一方で、失業率が4%半ばに近づいたり、新規雇用者数が減少した場合は利下げ期待が高まり、豪ドル売りを動意づけることになりそうだ。
なお、14日には9月29-30日に行われたRBA理事会の議事要旨公表や、15日にはハンターRBA総裁補佐、16日にはブロックRBA総裁、ケントRBA総裁補佐の講演などが予定されている。ただ、16日の講演を含め雇用統計発表前に予定されていることもあり、反応は限定的になるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は引き続き堅調な動きとなりそうだ。ZARは対円だけではなく、対ドルでも強含んでいる。これまでは新興国通貨のため、リスク回避ではZAR売りになる場面が多かったが、今では日米欧の政治不安を嫌気しZARはSafe Haven (セーフヘイヴン)とされ、避難通貨と一部では呼ばれているほどだ。来週は、経済指標では15日に8月の小売売上高が発表される程度。引き続き他国の政治状況がZAR相場を左右するだろう。
10月6日週の回顧
豪ドルは対円では101円手前まで大幅に上昇し、年初来高値を更新した。週末に行われた自民党の総裁選で、財政積極派とされている高市氏が勝利を収めると円売り・株高が進んだ流れに沿った。対ドルではほぼ横ばいの動きだったが、対NZドルでは強含んだ。NZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)で50bpの大幅利下げを行ったことが、豪ドル買い・NZドル売りを促した。ZARも対円では週初に急騰。その後も9円手前まで強含み、年初来高値を更新した。また、対ドルでもZAR買い意欲が強く、年初来高値を更新している。
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