【25年10月3日】LINE FX週間レポート(ポンド、カナダドル)

加ドル、9月雇用統計に注目

  • ポンド、金利先安観の後退に対して敏感
  • 加ドル、トランプ関税や9月雇用統計に注目
  • 対円では自民党総裁選、対ドルでは米政府機関の一部閉鎖を見定め

予想レンジ

GBP/JPYGBP/JPYCAD/JPY CAD/JPY
196.00-200.00円104.00-108.00円

10月6日週の展望

 来週、英国では相場の動意につながる重要な経済指標は発表されず、しばらくは金融当局者の発言に注意することになりそうだ。今週はロンバルデリ英中銀(BOE)副総裁やマン金融政策委員会(MPC)委員が、インフレ高止まりへの懸念を表明した。どちらも8月の利下げ時に据え置きを支持したタカ派であり、サプライズではないものの、ポンド買いが強まる場面があった。反応を見る限り、金利先安観の後退に市場は敏感になりつつある。

 加ドルは、10日の9月カナダ雇用統計が注目されているが、それまではトランプ関税の影響を見定めながらの取引。トランプ米大統領は9月末、木材および家具製品の輸入に対する新たな関税を発表した。米国は、4月からカナダ産木材への反ダンピング税と補助金相殺関税を大幅に引き上げている。今回の新関税(10%)はこれに上乗せされる可能性があり、実質的な負担はさらに増加する。カナダ産針葉樹材の輸出は9割が米国向けで、製材業者はコスト増と米国市場での競争力低下に直面する。当然、加ドルへは重石となるだろう。9月カナダ雇用統計では、労働市場の冷え込みに歯止めがかかるかが焦点となる。前回8月分では新規雇用者数は、増加予想に反して6.55万人減少した。失業率は7.1%と、新型コロナ禍の時期を除けば2016年5月以来の水準まで悪化。トランプ関税の影響とはいえ、労働市場の改善が見られなければ、加ドルの下値模索につながる可能性が高い。

 なお、ポンド、加ドルはいずれも対円では、週明けから日本の政局を睨んだ値動き。自民党総裁選の投開票が4日に行われ、次期首相となる可能性が高い新総裁が誕生する。高市早苗・前経済安保相と小泉進次郎・農水相が有力候補であり、誰が新総裁となるかで、その財政方針に市場は左右されるだろう。高市氏が選ばれた場合は日本株高・円安、小泉氏の勝利だと株式相場は利益確定売り、為替はやや円高に振れるとの見方がある。ただ、自民党は少数与党であるため、政策については野党との調整が今後必要となる。新総裁が決定した後の発言にも注目したい。

 また、対ドルでは1日に発動された米政府機関の一部閉鎖の行方にも注視。米共和党と民主党の対立が激化すれば、閉鎖が長期化する恐れはある。もっとも、米株式市場は政府閉鎖に対して冷静な反応を示している。1990年以降、最も長かった閉鎖は第1次トランプ政権時の35日間。この時も米株は売り先行後に切り返し、その後1年間の上昇トレンドに入った。過去の例では実体経済も比較的安定を保っており、過度に警戒する必要はないかもしれない。


9月29日週の回顧

 ポンド円は週初の200円半ばから197円半ばまで下落。加ドル円も107円前半から105円前半まで売られた。野口日銀審議委員のタカ派的な発言を受けて本邦金利の先高観が強まり、円買いが促された。トランプ米大統領の新関税も加ドルにとっては重し。対ドルでは、ポンドが1.35ドル前半まで一時上昇した一方、加ドルは1.39加ドル半ばまで加ドル安に傾いた。


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この記事の編集者

LINE FX 編集部

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