ポンド、量的引き締めペースを縮小
- ポンド、英政策金利据え置き 追加利下げのタイミングは不透明
- ポンド、英中銀は量的引き締めペースの縮小を決定
- 加ドル、政策金利は約3年ぶりの低い水準となり、利下げサイクルは終盤との見方も
予想レンジ
198.00-203.00円 | 105.50-109.00円 |
9月22日週の展望
ポンドは、イングランド銀行(英中銀、BOE)の次の一手が不透明感を増す中、円相場やドル相場全般の強弱で上下することになりそうだ。
英中銀は18日に金融政策委員会(MPC)の結果を公表し、政策金利は市場予想通り4.00%で据え置いた。MPCメンバーの投票では9人中2人が0.25%の利下げを主張したが、こちらも想定内とされた。中銀は、インフレ率が9月の4%を上限に減速し、2027年には目標の2%まで低下するとの見通しを維持。しかしながら、声明では「中期的なインフレ圧力は上振れリスクが依然として目立つ」ことも指摘。今後の利下げについては「段階的かつ慎重に進める」とした。現状の高金利は既に弱っている英国経済へさらに負担をかけるものの、金融緩和はインフレを加速させる可能性もあるため、中銀は政策判断に今後も苦慮することになるだろう。
また、英中銀は今回の会合で、量的引き締め(QT)のペースを緩めることを決定した。2021年まで約12年間購入してきた国債の売却について、これまでの年間1000億ポンドから、一部市場予想より少ない700億ポンドに縮小した。この決定を受けて為替はポンド売りで反応したものの、今後も影響を見極める必要があるだろう。なお、英長期債利回りが高い水準にある中、売却による市場への波及を軽減させるため、長期債の売却比率を他年限よりも低くするもようだ。
来週の主な英経済指標は、9月の購買担当者景気指数(PMI)速報値のみ。8月の改定値は製造業が47.0、サービス部門が54.2と50を挟み強弱分かれる結果だった。
加ドルは、カナダ中銀(BOC)の政策金利が、「今回の利下げサイクルにおける最終到達点(ターミナルレート)に近づいている」との見通しが市場に浸透するかに注目したい。
BOCは17日、市場予想通りに政策金利を0.25%引き下げて2.50%にすることを決定した。利下げは4会合ぶり、金利水準は2022年7月以来の低さとなる。要因としては、「雇用の急速な悪化、経済の縮小、基調的なインフレ圧力の後退、米国発の関税などによる輸出・供給面の不確実性」などが挙げられた。ただ、声明では今回、7月会合で示された追加利下げの必要性に関する言及が削除され、マックレム総裁も「金融政策は会合ごとに判断していく」と慎重なスタンスを強調した。金融イベントを経て、ターミナルレートを2.25%とする見方が広がりつつある。
9月15日週の回顧
ポンド円は週明け200円台で買いが先行。ドル円が下落したタイミングで下押すも、199円半ばでは支えられた。英中銀の金利発表前に買いが強まると、一時2024年7月以来の高値201.27円まで上げ幅を広げた。ポンドドルは、米国の利下げで1.3720ドル台まで上昇したところから失速。英中銀QTペースの減速を受けて1.35ドル前半まで下落した。
加ドルは対円で107円台乗せから106円割れまで売られるも、ドル円の上昇につれて107円半ばまで切り返した。対ドルでは、1.38加ドル半ばから1.37加ドル前半まで加ドル高に振れた。
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