加ドル、第2四半期GDPに注目
- ポンド、7月CPIの伸びが加速し追加利下げの思惑が後退
- ポンド、景気減速や財政不安で上値は重い
- 加ドル、4-6月期GDP次第では利下げ観測が高まる可能性
予想レンジ
196.50-201.50円 | 105.00-108.50円 |
8月25日週の展望
来週、ポンド独自の手掛かりは乏しく、ドルなど外部要因主導の動きが見込まれる。イングランド銀行(英中銀、BOE)の8月会合でのタカ派寄りの利下げや根強いインフレ高などを要因に次回11月会合での追加利下げ期待は後退している。ただ、景気減速や財政不安への懸念も根強いことから、ポンドを積極的に買い進める地合いにはなりにくい。
20日に発表された7月消費者物価指数(CPI)は前年比3.8%と6月の3.6%から伸びが加速。2024年1月以来の高水準となった。中銀が注視するサービス価格の上昇率も、前月の4.7%から5.0%に上昇した。BOEが追加利下げに踏み切れば、実質金利がマイナス圏に陥るリスクがあるため、景気下支え効果を購買力の毀損が相殺する可能性もある。ただ、8月会合で利下げは5対4の僅差で決定され「超ハト派」のメンバーもいるだけに、年内に追加利下げがあるかは不透明な状況。今後も経済指標の結果を睨みながら政策金利見通しを占うことになる。
また、英4-7月の政府借入額は600億ポンドと、予算責任局(OBR)予測の599億ポンドとほぼ一致した。リーブス英財務相は財政ルールを順守し金融市場を動揺させないためにも秋の予算案で増税か歳出削減に踏み切る可能性が高い。ドイツと英国はいずれも政府借り入れを増やしつつあるが、ドイツが成長拡大を目指しているのに対して、英国は成長を生み出すのに苦労している。
加ドルは4-6月期GDPや6月GDPの結果に注目。19日発表の7月CPIは前年比1.7%と前月の1.9%から予想以上に伸びが鈍化した。コアCPIの3カ月平均も7月に2.4%に鈍化し、昨年9月以来の低水準となった。カナダ中銀(BOC)は7月会合で政策金利を2.75%に据え置くことを3会合連続で決定。次回会合は9月17日の予定だが、市場ではCPIの発表後に利上げの思惑がやや上昇している。ただ、利下げと据え置きの見方は交錯しており、今後の指標結果などで経済状況を見極める展開が続くだろう。GDPの結果次第では利下げ観測が一段と強まる可能性がある。
なお、商品先物取引委員会(CFTC)が発表する主要な先物のみのポジション状況(12日時点)によると、加ドルの売り持ち高は9万枚程度と3週連続で拡大し4月以来の高い水準となった。BOCによる利下げ観測やトランプ政権のカナダに対する厳しい関税で、加ドルの重い動きが見込まれている。
8月18日週の回顧
週を通して22日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演待ちムードが強く、為替相場全体の値動きは限られたが、全般ドルが底堅い動き。ポンドは強い7月CPIへの反応は限られ、ポンドドルは1.34ドル近辺までやや売りに押され、ポンド円は200円超え水準で上昇が一服した。加ドルは予想比下振れの7月CPIも重しとなり、ドル/加ドルは1.39加ドル台までドル高・加ドル安が進み、加ドル円は106円割れまで売りに押されるなどやや上値の重い動きとなった。
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