「チャートの見方を知りたい」
「チャートの種類や活用方法を教えて欲しい」
FXを始めたばかりの人がチャートを見て分析しようと思ったとき、チャートの見方がわからず上記のような悩みを抱えることがあります。
そこでこの記事では、FXチャートの見方について解説します。
【この記事でわかること】
- FXにおけるチャートの種類
- さまざまなチャートの見方
- チャートを見る際の注意点
FXのチャートの見方を知りたい人、さらに詳しくなりたい人はぜひ参考にしてください。
FXのチャートとは?

FXのチャートとは、為替相場の値動きを視覚的に表したグラフのことで、相場分析の基本となります。チャートを理解することで、取引の判断材料を得られます。
FXの為替相場は、対象通貨の需要と供給のバランスによって変動することになります。また、その需要と供給のバランスは世界のさまざまな要因が影響することが特徴です。
たとえば、ある国の経済指標が当初の予想を上回ると、その国の通貨の需要が高まり、為替レートは上昇する傾向があります。逆に、地政学的リスクが高まると、その国の通貨の需要は減少し、為替レートは下落する傾向にあります。
為替相場には、経済指標や政治的要因、地政学リスクなどさまざまな要因が影響するため、すべての情報を集めるのは困難です。
そこで活用されるのがチャートです。チャートには複雑な情報が多く織り込まれているため、FXにおいては重要なツールとして活用されている場合があります。
FXでチャートを活用するなら、まずはチャートの基本的な見方から覚えていきましょう。
チャートの種類
チャートには、主に以下3つの種類があります。
- ローソク足
- バーチャート
- ラインチャート
一般的には「ローソク足」が使用されていますが、それ以外の種類についても確認しておきましょう。
ローソク足
ローソク足は、一定期間の価格変動を一目で把握できるようにした日本発祥のチャート表示方法です。始値、高値、安値、終値の4つの価格情報を、1つのローソクで表現しています。

「実体」とは始値と終値の間の四角部分を表し、上下の「ヒゲ」は高値と安値を示します。上記に示す図の場合、緑のローソク足は陽線(上昇)、黒のローソク足は陰線(下落)を示しており、相場の強弱がわかりやすいです。
たとえば、長い陽線は、その期間に大きな買いが入ったことを示し、長い陰線は、強い売りがあったことを表しています。
ローソク足のパターンを組み合わせて、チャート分析をするのが主な活用方法です。
バーチャート
バーチャートは、縦線と横線を使って価格情報を表現する、欧米で一般的なチャートです。
バーチャートでは、縦線の上端が高値、下端が安値を表し、左の横線が始値、右の横線が終値を示します。ローソク足と同様に、一定期間の価格変動を1本のバーで表現します。

終値が始値よりも高い場合は上昇バー、低い場合は下降バーとして表示され、バーの長さから値動きを直観的に理解できるのが特徴です。
シンプルな表示で価格の値動きを把握したい方は、バーチャートを活用してみてください。
ラインチャート
ラインチャートは、終値のみを線で結んだ最もシンプルなチャート表示方法です。各時点の終値を線で結ぶことで、価格の推移を表現します。高値、安値、始値の情報は含まれませんが、相場の大きな流れを把握することができます。

たとえば、長期的なトレンドを確認する場合や、移動平均線との関係を見る場合に、ラインチャートが活用されます。複雑な情報が省かれているため、相場の方向性を直感的に理解しやすいのがラインチャートの特徴でしょう。
なお、使えるチャートは、FX会社によって異なるので、取引をする前に確認しておくのがおすすめです。
LINE FXでは以下のチャートが利用できます。
- バー
- ローソク足
- 中空ローソク足
- 棒グラフ
- ライン
- エリア
- ベースライン
- 平均足
LINE FXで提供している取引ツールについては、以下のページで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
FXのチャートの見方

FXチャートを効果的に活用するためには、基本的な見方とパターンを理解する必要があります。
ここで紹介するチャートの見方は、以下のとおりです。
- チャートの横軸と縦軸が表すもの
- トレンド相場・レンジ相場
- 下値支持線(サポートライン)
- 上値抵抗線(レジスタンスライン)
- ダブルボトム・ダブルトップ
- フラッグ・ペナント
チャートの横軸と縦軸が表すもの
FXチャートの軸は、時間と価格の関係性を示す重要な指標です。横軸は時間の推移を表し、左から右へ時系列で価格の変動が表示されます。時間軸の設定は、1分足から月足までさまざまなものが存在します。
縦軸は価格を表し、下から上に向かって価格が高くなっていきます。

たとえば、1時間足のチャートでは、1本のローソク足が1時間の値動きを示します。時間足は複数ありますので、自分の取引に適した時間軸を見つけてみましょう。
トレンド相場・レンジ相場
相場の動きは、大きく分けてトレンド相場とレンジ相場の2つのパターンがあります。
- トレンド相場:価格が一定方向に継続的に動く状態
- レンジ相場:価格が一定の範囲内で上下に変動する状態

上昇トレンドでは高値と安値を切り上げながら、下降トレンドでは高値と安値を切り下げながら推移します。
たとえば、経済指標の発表直後にはトレンド相場になりやすく、材料が少ない時間帯にはレンジ相場になりやすいといえます。
下値支持線(サポートライン)
サポートラインは、相場の下落を支える価格帯を示す指標です。サポートラインは、過去に何度も反発した価格帯を結んだ線で、買い手が集中しやすい価格水準を表すと考えられています。


たとえば、上記画像のように、過去に反発していたサポートラインを割り込む(ブレイクアウト)と価格は下がりやすいです。
このように、サポートラインは、下落トレンド中に価格が反発するかの目安になります。
サポートラインについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
上値抵抗線(レジスタンスライン)
レジスタンスラインは、相場の上昇を抑える価格帯を示す指標です。レジスタンスラインは、過去に何度も跳ね返された価格帯を結んだ線で、売り手が集中しやすい価格水準を表すとされています。


上記の画像の場合、レジスタンスラインを突破すると、その後価格は上昇しやすくなります。
またレジスタンスラインは、価格が反落するポイントを探す際に役立つともいわれています。誰が見てもわかりやすく価格が反落しているレジスタンスラインがあった時、そのラインを突破すると買いが入りやすくなる可能性があり、トレンド転換のタイミングを事前に予測できるかもしれません。
チャートを見る際は、描画ツールを活用して、サポートラインやレジスタンスラインを探してみてください。
ダブルボトム・ダブルトップ
ダブルボトムとダブルトップは、相場の転換を示唆するチャートパターンです。
ダブルボトムは、下落相場で2回続けて同じ価格帯まで下落し、その後反発したチャート部分を指します。一方、ダブルトップは、上昇相場で2回続けて同じ価格帯まで上昇し、その後下落するパターンを示します。


ダブルボトムとダブルトップは価格変動の目安にしやすいチャートパターンなので、ぜひ覚えておくとよいでしょう。
フラッグ・ペナント
フラッグとペナントは、相場の一時的な調整を表すチャートパターンです。
フラッグは、旗の形に似た平行四辺形のパターン、ペナントは、三角形のパターンを形成します。どちらも、急激な相場の動きのあとに現れやすい調整の形として知られています。


フラッグやペナントのようなチャートパターンは、描画ツールでラインを引いていると見つけやすいです。価格調整後に上昇か下降に転換しやすくなるので、意識してみるのがおすすめです。
LINE FXでは高機能チャート「Trading View」を無料で提供しているので、チャート分析に活用してみてください。
チャートパターンの詳しい情報については、以下の記事でも紹介しています。
FXのチャートとともに活用できるテクニカル指標

価格変動の分析をより効果的に行うため、テクニカル指標の活用方法について解説します。テクニカル指標とは、過去の価格データをもとに計算された分析指標のことです。
ここでは、以下2つのテクニカル指標を紹介します。
- トレンド系
- オシレーター系
トレンド系
トレンド系指標は、トレンドの方向性を把握できる指標で、移動平均線やボリンジャーバンドが有名です。
移動平均線とボリンジャーバンドの概要と使用方法は下表のとおりです。
トレンド指標 | 概要 | 使用方法 |
---|---|---|
移動平均線 | 移動平均線は、一定期間の終値の平均を結んだ折れ線グラフ | ・トレンド確認 ・サポート・レジスタンス ・クロス分析 |
ボリンジャーバンド | 価格変動の範囲を視覚化するテクニカル指標 | ・トレンド判断 ・売買シグナル ・サポート・レジスタンス ・バンドウォーク |
移動平均線とボリンジャーバンドは、ともにトレンド確認やサポート・レジスタンスラインとしても活用できるとされています。
移動平均線には、クロス分析と呼ばれる特徴的な分析手法があり、使用方法は以下のとおりです。

たとえば、短期(5日)と中期(25日)の移動平均線を利用する場合、短期線が中期線を上向きに突き抜ける「ゴールデンクロス」は買いシグナル、下向きに突き抜ける「デッドクロス」は売りシグナルとして捉えることもできます。
ボリンジャーバンドの分析方法で特徴的なのは「バンドウォーク」です。

バンドウォークは画像のように、強いトレンド時に価格が一方のバンドに沿う動きを示します。
移動平均線、ボリンジャーバンドともに、使用方法は複数あり、それぞれ自分のトレードスタイルに適しているか試してみるのがおすすめです。
移動平均線やボリンジャーバンドについては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
オシレーター系
オシレーター系は、相場の勢いや方向性を判断するための指標で、RSIとMACDが代表的です。
オシレーター指標 | 概要 | 使用方法 |
---|---|---|
RSI | 一定期間の価格変動における上昇と下落の勢いを0%から100%の範囲で表す指標 | ・70%以上で買われすぎ、30%以下で売られすぎと見られる傾向がある ・50%ラインを境に上昇・下降トレンドを判断する手立てとなる |
MACD | 短期と長期の2本の指数平滑移動平均の差を利用して、相場のトレンドや売買タイミングを捉える指標 | ・MACDラインがシグナルラインを上から下へ突き抜けると買いの兆候を示す傾向 ・MACDラインがシグナルラインを下から上へ突き抜けると売りの兆候を示す傾向 |
RSIとMACDはどちらも、売られすぎ・買われすぎを判断する手立てとなるため、価格がどちらかに伸びている場合に活用すると、トレード成績を上げられる可能性があります。
RSIとMACDに関しては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
FXでチャートを使用して分析をする際の注意点

FXでチャート分析を行う場合の注意点も確認しておきましょう。
ここでは、以下5つを解説します。
- 分析で読み取れるシグナルは「絶対」ではない
- 自分に合ったチャートの見方を見つけるのに時間がかかる
- 想定外の動きになる可能性もある
- 出来高はチャートで確認できない
- テクニカル分析にも限界がある
分析で読み取れるシグナルは「絶対」ではない
FXチャート分析には、移動平均線のクロス分析や、ボリンジャーバンドのバンドウォークなどのシグナルがありますが、これらは必ずしも機能する指標というわけではありません。
たとえば、ゴールデンクロス後に下落するケースや、RSIが70%を超えてもさらに価格が上昇するケースがあります。シグナルが出ても機能しないことは「相場状況に変化が起きた」あるいは、短期的に投資判断を混乱させる「ダマシ」の可能性もあり、チャート分析においても良く見られる現象のため、注意が必要です。
対応策として、移動平均線とMACDを組み合わせたり、ボリンジャーバンドとRSIを組み合わせたりなど、複数の指標を同時に表示して分析するのがよいでしょう。
自分に合ったチャートの見方を見つけるのに時間がかかる
FX取引は人それぞれのスタイルがあるため、自分に合ったチャートを見つけるまでには時間が必要です。
たとえば時間足に関して、5分足をメインに分析するトレーダーもいれば、日足をメインに分析するトレーダーもいます。
さまざまなチャート分析を一定期間試し、自分に適した見方を探してみてください。
想定外の動きになる可能性もある
FXのチャートは、個人投資家だけでなく機関投資家もみています。機関投資家が扱う通貨量は原則として個人投資家よりも多いため、機関投資家が短期的に買いや売りを仕掛けてきた際、チャートが想定外の動きになることもあるため、要注意です。
例えば、個人投資家にもわかりやすい買いや売りシグナルが出ていた場合、機関投資家があえて逆の売買を行うことがあります。この動きが「ダマシ」的な動きになることもあるため、注意深くチャートを観察するとよいでしょう。
出来高はチャートで確認できない
FX市場は分散市場のため、株式市場と異なり「出来高」を直接確認できません。出来高とは、一定期間内に売買が成立した数量のことで、株取引では市場の活性度を測る目安とするケースもあります。
しかしFXでは、チャートで出来高を確認できない代わりに、各FX会社が売買比率を提供しています。以下のような見方で活用することもできます。
売買比率 | 考えられる市場の動き | 使用例 |
---|---|---|
米ドル/円の買い比率が高いが円高が進んでいる | 安くなっている米ドルが高くなると期待して米ドルを買って日本円を売っているとも捉えられる | 大勢が米ドルを買っても、米ドル/円が下がるということは、まだ下がる余地があると考えられるため、短期的な売り戦略を検討する |
米ドル/円の売り比率が長期間にわたって拡大している | ・長期的な売りの蓄積は、相場の下落圧力となり、結果として魅力的な買い場となる可能性がある ・大量の売りポジションが蓄積されている状況で、何らかのきっかけで相場が上昇すると、売りポジションの決済(買い戻し)が連鎖的に発生し、急激な上昇につながる可能性がある | 急上昇のリスクが排除できないため、他の投資家と同様に売りを仕掛けるよりは、買い場を待つ発想に切り替える。そして、実際に米ドル/円が下落してきたら、買いを仕掛ける |
このように、取引している通貨ペアの売買比率を過去データや相場状況と照らし合わせることで、今後の相場予測に役立てられる可能性があります。
LINE FXでは毎週公開しているので、取引の判断材料にしてみてください。
テクニカル分析にも限界がある
テクニカル分析は過去のデータに基づく分析手法であり、将来の相場を100%は予測できません。あくまで相場の方向性を予測する1つの指標として捉えておきましょう。
FXのテクニカル分析とは?メリット/デメリットや指標の種類について解説!
まとめ

FXのチャートは為替相場の値動きを視覚的に表したグラフで、相場分析の基本的なツールです。現在がトレンド相場とレンジ相場のどちらなのか、サポートラインやレジスタンスラインがあるかなどを確認し、チャートへの理解を深めるとよいでしょう。
ただし、チャートから得られるシグナルは絶対的なものではなく「ダマシ」にも出会うことがあるため、あくまで参考指標として活用するのがおすすめです。
自分に合ったチャートの見方を探して、FXを楽しみましょう。
新規口座開設+条件達成で5,000円プレゼント
取引画面はこちら
新規口座開設+条件達成で5,000円プレゼント
取引画面はこちら