
FXの魅力の一つが条件を満たせばほぼ毎日受け取れる「スワップポイント」です。受け取ったスワップポイントは出金して臨時収入にしたり、複利効果を狙って再投資をしたりすることができます。
ただし、ポジションによってはスワップポイントの支払いが発生します。また為替変動による損失にも気を配る必要があります。このようにスワップポイント狙いの運用では、メリットだけでなくリスクも押さえておくことが大切です。
そこで本記事ではスワップポイントの概要や魅力とリスク、スワップポイント狙いに人気の通貨ペアなどを解説します。
【この記事を読むとわかること】
- スワップポイントとは何か
- スワップポイント運用の魅力とリスク
- スワップポイントで利益を得るためのコツ
- スワップポイント狙いに人気の通貨ペア
スワップポイント狙いの運用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
FXのスワップポイントとは?

始めにFXのスワップポイントに関する基本情報を解説します。
スワップポイントの基礎知識
スワップポイントとは、売買する2通貨間の金利差によって発生する損益のことです。取引する通貨の組み合わせによって、スワップポイントを受け取れる場合もあれば逆に支払う場合もあります。受け取るスワップポイントのことを「プラススワップ」、支払うスワップポイントのことを「マイナススワップ」と呼びます。
- 低金利通貨売り+高金利通貨買い→スワップポイントを受け取れる(=プラススワップ)
- 低金利通貨買い+高金利通貨売り→スワップポイントを支払う(=マイナススワップ)
上記のように、例えば日本円のような低金利通貨を売り、米ドルや南アフリカランドなど、日本円よりも高金利の通貨を買うことで、スワップポイントを受け取ることができます。


スワップポイントは保有した日数分を受け取る、もしくは支払う仕組みです。そのため、保有期間が長ければ長いほど、受け取れる、あるいは支払うスワップポイントは大きくなります。
なお、スワップポイントの受け取りもしくは支払いは、基本的に取引口座に自動で反映されます。例えば150円分のスワップポイントを受け取る場合は、口座に150円が振り込まれることになります。
スワップポイント発生の仕組み
スワップポイントは2通貨間の金利差から発生します。そもそもFXとは通貨と通貨を交換する取引です。したがって、通貨の交換時には通貨の金利も交換する、つまり「買った通貨の金利を受け取ると同時に、売った通貨の金利を支払う」ことになります。この金利の“受け取りと支払いの差分”がスワップポイントになります。

また、1日あたりのスワップポイントの計算方法は以下の通りです。
(為替レート×保有数量×金利差)÷365日
例えば、以下の条件におけるスワップポイントは、約164円です。
- 為替レート:1米ドル=150円
- 保有数量:10,000通貨
- 金利差:4%(アメリカ4.5%-日本0.5%)
→150円×10,000通貨×4.0%÷365=約164円
つまり、金利差が4%の時に日本円で1米ドルを10,000通貨買った場合は、1日あたり約164円を受け取れる計算になります。
スワップポイントが付与されるタイミング
スワップポイントは各営業日の取引終了時点に付与されます。LINE FXの場合は、午前6時50分(サマータイムでは5時50分)です。つまり、午前6時50分もしくは5時50分をまたいでポジションを持っていれば、スワップポイントを受け取る、あるいは支払うことになります。このようにポジションを翌日に持ち越すことを「ロールオーバー」と言います。
スワップポイントは原則として、土日祝日を除く1日分の受け渡しが毎日行われます。ただし、ポジションを水曜日から木曜日に持ち越した場合、受渡日が金曜日から月曜日に3日分繰り延べられる関係上、木曜日の朝に3日分のスワップポイントの受け渡しが発生します。
スワップポイント運用の魅力とメリット

スワップポイントを得ることを目的とした「スワップポイント運用」には、次のような魅力やメリットがあります。
初心者でも始めやすい長期運用スタイル
スワップポイントは「低金利通貨売り+高金利通貨買い」のポジションを持つ限り、長期かつ安定的に見込める利益です。FXに対して不安を感じる初心者でも取り組みやすいでしょう。
スワップポイントは毎日発生するため利益が実感しやすい
FX取引におけるキャピタルゲイン(為替差益)は、ポジションを決済しない限り利益が確定しません。一方、スワップポイントは金利差がプラスであればほぼ毎日受け取ることができます。スワップポイントによる利益が日々口座に増えていく実感が得られるのは、スワップポイント運用の魅力の一つです。
複利効果で効率的な資産形成も可能
受け取ったスワップポイントは、再投資することもできます。これにより投資元本が増えていくため、将来のキャピタルゲインが大きくなることも期待できます。また、再投資をした分に対してもスワップポイントが付与されるため、受け取れるスワップポイントを雪だるま式に増やすことも可能です。
スワップポイント運用の潜在的なリスクと注意点

一方、スワップポイント運用にはリスクや注意点も存在します。
マイナススワップの際は支払いの可能性がある
「低金利通貨買い+高金利通貨売り」のポジションを取った場合には、スワップポイントを支払わなければなりません。
この支払いは、ポジションを保有し続ける限りほぼ毎日発生します。長期間の運用になると、損失額が膨らんでしまう恐れがあります。よって、スワップポイント運用に挑戦する際には、取引予定の通貨ペアがマイナススワップではないか、スワップポイントカレンダーなどで確認しておきましょう。
為替変動による損失リスク
特に値幅の大きい新興国通貨を取引する場合、「為替変動による損失>スワップポイントで得られた利益」になり損失が発生するリスクが大きくなります。そのため、コツコツ積み上げてきたスワップポイントの利益が為替レートの暴落で吹き飛ぶという事態も十分起こり得ます。
そのため取引時には、スワップポイントの高さだけに着目するのではなく、「キャピタルゲインを狙えるポジションを取った上で、スワップポイントも得る」というスタンスで取引することが重要です。
ロスカットによる強制決済リスク
ロスカットとは、証拠金維持率(※)が一定水準以下に達した場合に、ポジションが強制決済される仕組みのことです。ロスカットが執行されると保有ポジションがなくなるため、スワップポイントを受け取ることができなくなります。
特に中長期でスワップポイントを目的としたポジションを持つ場合には、ロスカットのリスクを下げることが大切です。証拠金維持率ができるだけ高くなるように余裕をもってレバレッジや入金額を調整しましょう。
※証拠金維持率:有効証拠金(証拠金に含み損益を加えた金額)を必要証拠金で割った割合のこと
関連リンク:FX取引で必要な証拠金(保証金)とは?証拠金維持率の計算方法や注意点を解説!

スワップポイントも課税対象
キャピタルゲイン(為替差益)と同様に、スワップポイントで得た利益も課税の対象となります。国内FXの場合、税率は20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。したがって、実際に手元に残るのはスワップポイントで得た利益の約8割になる点に留意しましょう。
関連リンク:FXの税金
スワップポイントで利益を得るための実践的なコツ

スワップポイントで利益を得るにあたり、押さえておきたいコツを4つ紹介します。
低レバレッジでの運用をする
ロスカットが執行されると、予定していたスワップポイントを受け取れなくなります。そのため、安定的にスワップポイントによる利益を得るためには、2〜5倍程度の低レバレッジにとどめ、ロスカットのリスクを下げて運用することが有効です。
通貨の金利差を考慮する
スワップポイントは2通貨間の金利差が大きければ大きいほど、より多くの金額を受け取ることができます。そのため、取引を検討している2通貨の金利差をよく確認しておきましょう。
また現状の金利差だけでなく、各国の財政・金融政策の方向性から将来の金利差もある程度想定しておくこともポイントです。そこからさらに「もし金利差が拡大もしくは縮小したらどうするのか」というシナリオまで考えておくことで、いざという場面で慌てずに対応できます。
複数の通貨ペアに分散投資を行う
スワップポイントは日々変動し、プラススワップからマイナススワップに転じる場合もあります。また、為替の暴落により、積み上げてきたスワップポイント以上の含み損を抱えてしまう可能性も否定できません。
こうしたリスクを軽減するためには、複数の通貨ペアに分散投資することが大切です。複数の通貨ペアのポジションを持っておくことで、仮にいくつかの通貨ペアのスワップポイントが少なくなったり含み損が発生したりしたとしても、他の通貨ペアでカバーできる可能性が高まります。
為替レートとスワップポイントの変動を常にチェック
スワップポイント運用で注意したいのが、為替レートの大きな変動により、受け取ったスワップポイント以上の損失を被ることです。そうした事態を避けるため、為替レートとスワップポイントの変動を随時チェックしておきましょう。
とくに、為替レートは24時間変動します。ずっと為替相場に張り付いている必要はありませんが、確認する時間を決め、「事前に定めた損切りルールに引っかかってないか」「今後の見通しに重要な変更があるのか」などを適宜チェックするとよいでしょう。
関連リンク:スワップポイントカレンダー|LINE FX
スワップポイント狙いに人気の通貨ペアと具体例

スワップポイントによる利益を積み上げる際に人気の通貨ペアと、具体的な投資シミュレーション例を紹介します。
関連リンク:通貨ペアの選び方|LINE FX
高金利通貨の代表例
スワップポイント狙いで人気の高金利通貨には、例えば以下が挙げられます。
- 南アフリカランド:鉱山資源国である南アフリカの通貨。金などの資源価格の影響を受けやすい
- メキシコペソ:天然資源が豊富なメキシコの通貨。石油や銀などの資源価格の影響を受けやすい
- トルコリラ:トルコの通貨。外国からの資金流入が多いため、先進国の金融政策などの影響を受けやすい
これらの通貨の国は金利水準が高く、スワップポイントも高い傾向にあります。
主要通貨ペアでもスワップポイントは得られる
もちろん、以下のような主要通貨ペアでもスワップポイントを得ることができます。
- 米ドル/円
- ユーロ/円
- ポンド/円
- 豪ドル/円
- スイスフラン/円
主要通貨ペアは高金利通貨ペアと比べ、値動きが少ない傾向にあります。そのため、高金利通貨と比べると、ロスカットのリスクや為替変動による損失リスクを下げた運用をすることができます。
関連リンク:通貨ペアの基礎知識
投資資金別シミュレーション例
投資金額別、通貨ペア別で計算した、1年間保有した際に得られるスワップポイントのシミュレーションは次のとおりです。
| 投資金額/通貨ペア | 米ドル/円(1米ドル=150円) | ユーロ/円(1ユーロ=175円) | ポンド/円(1ポンド=200円) | 南アフリカランド/円(1ランド=8.5円) | メキシコペソ/円(1メキシコペソ=8.0円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 50万円 | 約71,000円 | 約25,000円 | 約59,000円 | 約111,000円 | 約136,000円 |
| 100万円 | 約142,000円 | 約53,000円 | 約119,000円 | 約222,000円 | 約273,000円 |
| 300万円 | 約427,000円 | 約161,000円 | 約359,000円 | 約666,000円 | 約821,000円 |
※2025年9月29日時点より過去30日間のスワップポイント平均値をもとにシミュレーション
ただし、上記はあくまで過去のスワップポイントを基に計算したシミュレーションであり、将来を保証するものではありません。あくまで参考情報の一つにしてください。
スワップポイント運用を始めるまでのステップ
スワップポイント運用を始めるための4つのステップを解説します。
FX口座を開設
まずはFX口座を開設しましょう。LINE FXにおける口座開設の流れは以下の通りです。
<LINE FXの口座開設の流れ>
確認事項の入力→電話番号の認証→本人確認書類の提出
※最短翌営業日に開設
LINE FXでは本人確認書類の提出含め口座開設はオンラインで完結できます。なお、詳しい流れについてはFX口座を開設するをご確認ください。
通貨ペアの選択
続いて、取引をする通貨ペアを選択します。先述した通り、特にFX初心者は分散投資のため複数の通貨ペアに投資をするのがおすすめです。
口座に入金
取引をする通貨ペアが決まった後、FX口座に入金をします。ロスカットのリスクを下げるため、なるべく余裕を持った金額を入金しましょう。中長期保有の場合は証拠金維持率800%以上が目安となります。
ポジション保有・運用開始
入金を終えたらいよいよFX取引を開始します。運用開始後も損切りラインやロスカットまでの値幅の確認などのため、為替レートやスワップポイントを欠かさずチェックしましょう。
よくある質問
最後にFXのスワップポイントに関するよくある質問を3つまとめました。
スワップポイントは毎日必ずもらえますか?
土日祝日を除き、原則毎日もらうことができます。土日分は木曜日に3日分のスワップポイントが付与されます。また通貨ペアの国の祝日にあたる場合、付与日はさらに繰り延べられます。
スワップポイントは通貨ペアやFX会社によって異なりますか?
スワップポイントは2通貨間の金利差によって生じるため、通貨ペアによって異なります。また経営方針等の違いにより、例え同じ通貨ペアであってもFX会社によってスワップポイントの水準は変わってきます。
スワップポイントにも税金はかかりますか?
税率20.315%の税金がかかります。個人の場合、ポジションを決済して実際にスワップポイントを受け取った時点で課税対象となります。
まとめ
FXのスワップポイントは「低金利通貨売り+高金利通貨買い」のポジションを持つことで、ほぼ毎日受け取ることができる利益です。受け取ったスワップポイントを再投資することで、効率的に資産形成できる可能性が高まります。
一方、為替レートの暴落によりスワップポイントの利益が吹き飛び、トータルで損失を被ってしまうリスクなど、いくつかの注意点もあります。スワップポイントの高さだけに着目するのではなく、為替レートの展望も踏まえて通貨ペアを選ぶことも大切です。
本記事でスワップポイント運用に興味を持った方は、まずは「低レバレッジ+複数通貨ペアへの分散投資」で運用を始めてみてはいかがでしょうか。
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関連リンク:スワップポイントカレンダー|LINE FX
