FXの取引時間は？初心者におすすめ＆注意すべき時間帯を解説

FXは平日ほぼ24時間取引できます。一方、取引時間帯によって値動きの傾向が異なるため、とくにFX初心者は取引タイミングに注意することが大切です。

そこで本記事ではFXの取引時間に関する基本情報や時間帯別の値動きの特徴、FX初心者におすすめの取引時間帯および注意すべき時間帯などを解説します。

【この記事でわかること】

• FXの取引時間に関する基本ルール
• 外国為替市場別の値動きの特徴
• FX初心者におすすめの取引時間帯と避けるべき時間帯
• FXと株式投資の取引時間帯の違い

「時間帯別の値動きの特徴を把握したい」「初心者におすすめの時間帯を知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

FXの取引時間に関する基本ルール

「決済しようと思ったら取引時間外だった」「FX会社のメンテナンス時間で注文できなかった」などの事態を避けるためにも、まずはFXの取引時間に関する基本ルールを押さえておきましょう。

FXはなぜ平日原則24時間取引できるのか？

日本株式の場合は原則として日本時間の平日午前9時〜15時30分の間しか取引ができません。一方、FXは原則平日ほぼ24時間取引することができます。その理由は、世界各地の外国為替市場がリレー方式で開いているからです。

例えば、東京外国為替市場（取引時間：日本時間8時～17時頃）が閉まった頃には、ロンドン外国為替市場（取引時間：同17時～翌3時頃、標準時間）やニューヨーク外国為替市場（取引時間：同22時～翌7時頃、標準時間）などが開きます。

一方、土・日曜日は中東のバーレーン市場などを除く大半の市場が閉まっているため、原則としてFX取引ができません。

FX会社の一般的な取引時間

FXの取引時間は、FX会社や曜日などによってわずかに異なるものの、通常は月曜日7時～土曜日7時ぐらいまでです。ただし取引時間内であっても、FX会社が定期・臨時メンテナンスを行うことがあり、その時間帯は注文を出すことができません。自身が取引するFX会社のメンテナンス時間は、念のため頭に入れておくと良いでしょう。

LINE FXの取引時間

LINE FXの取引時間は以下の通りです。

なお、注文受付時間は原則365日・24時間です（金曜日の取引終了〜土曜日12時、臨時メンテナンス時間を除く）。

米国サマータイム（夏時間）制度による取引時間の変更

3月の第2日曜日から11月の第1日曜日まで、米国は標準時間からサマータイム（夏時間）へ移行します。サマータイム期間はすべてが1時間進むため、例えばLINE FXでは以下の通り取引時間が変更されます。

サマータイム中には上記の通り取引可能な時間がずれるため、標準時間からサマータイムに移行するタイミングを意識しておきましょう。

FXで取引ができない時間帯と注意点

次に、FX取引ができない時間帯や、取引自体は可能なものの注意が必要なタイミングについて解説します。

取引ができない主なタイミング

世界中の為替市場が休場となる「土日」や「元日」は、FX取引ができません。また12月25日（クリスマス）は、多くのFX会社で取引終了時間が15時頃に短縮されます。

取引は可能だが注意が必要なタイミング

取引自体は可能なものの、為替レートの変動リスクが高い日にも注意しておきましょう。具体的には以下のタイミングです。

FX初心者は特に、上記タイミングでの取引を避けた方が良いでしょう。

【時間帯別】主要な外国為替市場と値動きの特徴

ここでは世界の主要な外国為替市場である、東京・ロンドン・ニューヨーク外国為替市場の概要と値動きの特徴を解説します。

東京外国為替市場（日本時間：8時〜17時頃）

東京外国為替市場とは、日本時間8時～17時頃に、東京を中心としたFX投資家によって取引が行われる市場のことです。日本円を含む通貨ペアの取引が盛んに行われます。

各金融機関は9時55分の為替レートを参考に、その日一日の取引を行う際の基準レート（＝仲値）を決定することから、9時55分前後は特に値動きが激しくなる傾向があります。また「五十日（ごとうび）」と呼ばれる10日や15日など5の倍数の日は、日本企業による海外への決済・送金処理が集中するため、ドル買い需要が増え、円安が進みやすいとも言われています。

ロンドン外国為替市場（日本時間：17時〜翌3時頃）

ロンドン外国為替市場は、世界最大規模の外国為替市場といわれ、多くの欧州勢が参画する市場です。主な取引時間は日本時間17時～翌3時頃（サマータイムは16時～翌2時頃）です。ユーロやポンドなど欧州通貨を含む通貨ペアの取引が活発になります。

また、特に市場参加者が増える17時以降やユーロ圏の経済指標発表のタイミングでは、相場が一気に動くことも多々あります。一方、欧州勢が昼休みに入る日本時間19時を過ぎると、相場が落ち着くケースも見受けられます。

ニューヨーク外国為替市場（日本時間：22時〜翌7時頃）

ニューヨーク外国為替市場は、アメリカの参加者が増える市場です。取引時間は日本時間22時～翌7時頃（サマータイムは21時～翌6時頃）。米ドルを含む通貨ペアが活発に取引される傾向にあります。

また、重要な経済指標が発表される日本時間「22時30分直後（サマータイムは21時30分直後）」やロンドン外国為替市場と取引時間が重複する「22時～翌3時頃（サマータイムは21時～翌2時頃）」は、特に取引量が多くなり、値動きがピークを迎える傾向にあります。

なお、値動きに大きな影響を与える重要な米国経済指標は以下の通りです。

そのほか、通貨オプション取引の権利行使期限時刻（ニューヨークオプションカット）である日本時間の深夜0時（サマータイムは23時）前後は、為替レートが大きく変動することがあります。

FX初心者の取引におすすめの取引時間帯

FX初心者が取引をするのにおすすめの取引時間帯は、以下の2つです。

１.取引が盛んな9時～10時頃

朝に取引したいFX初心者におすすめなのが「日本時間9時〜10時頃」です。東京外国為替市場がオープンして参加者が増える時間帯であり、為替レートが変動してトレードチャンスも比較的恵まれやすいといえます。中でも為替レートが円安に進みやすいと言われる五十日の9時〜10時頃は、大きなトレードチャンスになる可能性があります。

そのほか、取引が活発な同時間帯はスプレッド（買値と売値の差）が狭くなりやすいため、低コストで売買ができる点も嬉しいポイントです。

2.値動きがピークを迎えやすい22時～翌3時頃（サマータイム：21時～翌2時頃）

同じく値幅の大きさやスプレッドの狭さの観点から、日本時間22時〜翌3時頃（サマータイムでは21時〜翌2時頃）もおすすめです。同時間帯はロンドン外国為替市場とニューヨーク外国為替市場が開場しており、世界中の投資家がFX市場に参加してきます。

値動きが活発化しやすいため、短期的なトレードでも利益を伸ばしやすい点も魅力だといえます。ただし、想定とは逆に大きく値が動いてしまうと損失が拡大するため、損切りが重要な時間帯だということも押さえておきましょう。

FX初心者が注意すべき取引時間帯

一方、FX初心者が注意すべき時間帯もあります。可能であれば取引を避けたい時間帯は以下の4つです。

1.流動性の低い早朝（6時～8時頃）

日本時間の6時〜8時頃は、同時間帯は取引量が少なく、スプレッドが広くなりやすい時間帯です。利益を上げるのが難しくなり、取引コストも高くなる傾向にあるため、FX初心者にはおすすめできません。

また、売買注文量が少ないために、自身が希望するよりも不利なレートで売買が成立するリスクや、相場が急変動するリスクも高くなります。同時間帯に取引をしたい明確な狙いがない限り、取引は避けた方が無難でしょう。

2.重要な経済指標の発表前後

米雇用統計や米国消費者物価指数（CPI）などの重要な経済指標発表前後は、値動きが乱高下する傾向にあります。「トレンドが発生したと思ったらすぐに反転した」という場面も珍しくありません。値動きが予測しづらく、値動きの激しさからすばやい判断が求められる可能性もあるため、FX初心者は取引を控えることをおすすめします。

なお、サマータイム期間中における海外の各種経済指標発表のタイミングが、標準時間より1時間早まる点にも注意しましょう。

関連リンク：経済指標・イベント見通し

3.金曜日の深夜や月末

日本時間の金曜日深夜や月末も為替市場が荒れやすいタイミングです。金曜日の深夜は、FX取引ができない土日を迎えるため、月末は機関投資家のリバランス（資産の再配分）に伴う売買が集中することが要因です。

比較的値動きが大きくなりやすいため「トレードチャンス」と捉えることもできますが、価格が乱高下するリスクを踏まえると、FX初心者は無理に取引をしないほうが良いでしょう。

4.クリスマスと年末年始

クリスマスや年末年始はFX市場の参加者が減るため、流動性が低くなります。そのため、スプレッドが広がりやすく、希望の為替レートで約定できないリスクも高まるため注意が必要です。FX初心者にとって決して有利なタイミングとは言えないため、無理してFX取引を行う必要はないでしょう。

FXと他の金融商品の取引時間の違い

FX、日本株式、米国株式の取引時間の違いは以下の通りです。

	FX	日本株式	米国株式
取引時間	平日ほぼ24時間	平日9時～11時30分、12時30分～15時30分	・標準時間：23時30分～翌6時00分 ・米国サマータイム：22時30分～5時00分
値動きが大きくなりやすいタイミング	・仲値が決まる9時55分前後 ・市場参加者が増える17時～ ・重要な経済指標の発表直後など	寄り付き直後および大引け間際など

日本株式は日本時間の日中、米国株式は日本時間の夜中〜早朝に取引時間が限定されるため、日中仕事や予定のある人がスキャルピング（※1）やデイトレード（※2）をするのは難しいといえます。一方、FXは平日ほぼ24時間取引できるため、ライフスタイル問わず短期トレードを含めさまざまな取引を行うことが可能です。

また、FXと株式では、値動きが大きくなりやすいタイミングも異なります。FXは、仲値の決まる9時55分前後や重要な米国経済指標の発表直後などに値幅が出やすいのに対し、日本・米国株式は、取引開始直後や取引終了前に注文が殺到して値動きが大きくなる傾向があります。

取引時間だけでなく、為替レートが動きやすい時間帯も押さえておくと、効率的に利益を伸ばせる可能性が高まります。

※1 スキャルピング：数秒～数分という超短期でポジションを決済するスタイル
※2 デイトレード：数時間～1日で売買を完結させるスタイル

取引スタイルについての詳細はこちら
投資スタイルを決めよう

関連リンク：
FXと株の違いについて知りたい！ 投資初心者向けに解説！

FXの取引時間に関するよくある質問

最後に「FXの取引時間」に関するよくある質問を紹介します。

まとめ

FXは平日ほぼ24時間、取引が可能です。日中や夜中しか取引ができない日本株式や米国株式と比較すると、より自身のライフスタイルに合わせて投資しやすいといえます。

一方、流動性の低い早朝や、為替レートの乱高下が起きやすい重要な経済指標の発表前後などは、思わぬ損失を被るリスクが高くなります。

FX初心者は売買が活発化しやすい時間帯を中心に取引し、利益と経験を積み上げていくとよいでしょう。

関連リンク：
サービス概要｜LINE FX
取引できる日と取引時間帯を教えてください。｜LINE FX