豪ドル、失業率の大幅悪化で再利下げ期待が重し
- 豪ドル、失業率の大幅悪化で再利下げ期待が重し
- NZドル、7-9月期CPIに注目
- ZAR、9月CPIで今年最後のMPCを占うことに
予想レンジ
95.50-100.00円 | 8.50-8.90円 |
10月20日週の展望
豪ドルは、来週も引き続き日米を中心とした政治状況や、米中間の貿易摩擦などに左右される相場展開になりそうだが、豪雇用情勢の悪化で上値は限定的になるとみている。
今週発表された9月の雇用統計で、失業率はコロナの余波がまだ残る2021年下旬以来となる4.5%まで上昇した。前回の豪準備銀行(RBA)理事会では、雇用市場に関しては「ここ数カ月で概ね安定している」との見解が示されていたが再び悪化。次回理事会が開催される11月3-4日までには、RBAが重要視している四半期ベースの消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)も控えてはいるが、現時点では年内の利下げ予想が高まっており、豪ドルの重しになるだろう。
来週は豪州からは主な経済指標の発表予定がなく、市場を動意づけるのは日米の政局や、米中の貿易摩擦の行方になる。日本では、公明党が26年続いた自民党との連立政権から離脱したことで政情が混迷している。自民党は日本維新の会との連立政権を企てているが、今回の公明党離脱により高市総裁の求心力は急速に弱まりつつある。高市政権が樹立した場合でも党内の力学で副総裁の麻生氏が実権を握るとの憶測も台頭しており、過度な財政拡大を期待するのが難しくなっている状況。市場が再び高市トレードに戻りにくい展開となる可能性もあるだろう。また、米国では、政府機関の一部閉鎖がどの程度続くかを見定める必要があるほか、トランプ米大統領の中国への貿易制裁に対する朝令暮改の発言などにも注意したい。
NZドルは、20日に発表される7-9月期の消費者物価指数(CPI)に注目。CPIは昨年の10‐12月期に2.2%、今年は1-3月期が2.5%、4-6月期が2.7%と上昇傾向にある。再びインフレ率が上昇した場合には、8日に50bpの大幅利下げをしたNZ準備銀行(RBNZ)の緩和路線に終止符が打たれることになる可能性も出てくるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。日米欧の政治的混迷が続いており、消去法的ではあるが、南アへの投資意欲の高さは維持されるだろう。ただ、対円では高市トレードの停滞でZARの上値は限定的となりそうだ。経済指標では、22日発表予定の9月CPIに注目。先月発表された8月CPIは市場予想を大幅に下回った。9月の南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)では政策金利を据え置いたが、全会一致とはならず、据え置き4名、25bp引き下げ2名での決定となった。9月CPIが予想より低下すれば、11月の今年最後のMPCでの再利下げの期待が高まるだろう。なお、23日には半期に一度となるSARBの金融政策レビューが公表される。
10月13日週の回顧
豪ドルは上値が抑えられた。中国政府が海上輸送に対する港湾料金の追加導入を発表したことを受け、中国への輸出に大きく依存している豪州経済に悪影響を及ぼすことが懸念された。豪雇用統計の悪化も重し。豪ドル円は先週一時101円手前に迫ったが、97円前半ばまで下押す場面があった。ZARも対円では上値が抑えられた。高市トレードの後退で円が買い戻された。
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