FXと株の違いについて知りたい! 投資初心者向けに解説!

投資といわれてイメージしやすい「FX」と「株式投資」。ここでは違いを踏まえながら、それぞれのメリットやデメリットを解説します。

FXと株の違いについて知りたい! 投資初心者向けに解説!

FXと株式投資の違い

FXと株式には、それぞれ下記のような特徴があります。これらの点を踏まえて、どのようなメリットやデメリットがあるか解説します。

FXと株式投資の違い

FXのメリット

FXのメリット

FXについて、メリットとデメリットの双方をご紹介します。まずはメリットから解説します。

・手持ち資金が少なくても、レバレッジ(※)で大きな金額で取引できる
FXのメリットとして挙げられるのが、手持ち資金が少なくても、レバレッジにより大きな金額で取引できることです。FXは最大25倍までレバレッジを掛けることができるため、1万円の証拠金でも25万円を投資していると同様の取引を行うことができ、投資の資金効率が良いと言えるでしょう。

(※)レバレッジ
株式の信用取引の保証金、FXの証拠金を差し入れ、保証金や証拠金を担保に証券会社やFX業者から資金を借り入れ、差し入れた保証金の金額よりも何倍もの大きな取引を行うことができる効果のこと。日本語に直訳すると「てこ」のことを表します。

ただし、その分だけ損失が発生した場合には、手持ち資金以上の損失になってしまうこともあります。また、ロスカットによってわずかに含み損が出た場合でも、強制的にポジションが決済されて思わぬ損失が発生する場合もあります。注意が必要と言えるでしょう。

・売り買い両方で収益が狙える
FXは現物を売り買いするわけではなく、証拠金を差し入れて差金決済します。そのため、現物を持っていなくても売りにも参加できます。

・スワップポイントが得られる
FXで得られる利益には、2国間の為替レートの価格差から得られる利益と、2国間の金利差により発生する利益の2種類があります。そしてスワップポイントとは、交換する2国間の金利差から得られる利益のことを言います。

例えば、超低金利通貨の日本円の金利が0.1%で、米ドルの金利が1%だとしましょう。この場合は0.9%の金利差が発生し、その分の金利差がスワップポイントとなります。低金利の通貨を売却して金利の高い通貨を購入した場合には、この金利差分のスワップポイントを受け取ることができます。

・取引コストが安い
FXのメリットの1つとして、取引コストが安いことがあります。FXの取引には、スプレッドという為替手数料のようなコストがかかります。通貨ペアを売る際のBid(売値)と、通貨ペアを買う際のAsk(買値)の差がスプレッドです。

また、FXには取引手数料もかかりますが、多くの会社では無料になっています。株式の取引手数料と比較するとスプレッドは低くなっており、取引コストが安いと言えるでしょう。

・取引時間が長く利便性が高い
FXは24時間ほぼ取引可能です。そのため、日中仕事で忙しい方でも仕事が終わった後に取引しやすく利便性が高いと言えるでしょう。

FXのデメリット

FXのデメリット

FXのデメリットについて解説します。

・レバレッジには大きなリスクが伴う
レバレッジによって、手元の資金以上の大きな取引を行うことが可能です。ただし、利益が大きい分、損失が発生した場合の金額も当然ながら大きなものになります。

レバレッジを最大限まで効かせることで、手元の資金で得られるはずの25倍の利益を得られる反面、損失も25倍になります。そのため、仮にレバレッジを掛けずに手持ちの資金のみで投資して1,000円の損失だったとしても、レバレッジを掛けていた場合には25倍の2万5,000円になる可能性もあります。

レバレッジを掛けなければ、損失は自分の資金が減るだけです。一方、高いレバレッジを効かせることで相場が大きく動いた場合、自分の手持ち資金以上の損失が発生することもあるのでしょう。

また、高いレバレッジを掛けることで、ロスカットによって思わぬ損失が発生してしまうこともあります。このようなFXの仕組みをよく知り、適度なレバレッジで取引を行うようにしましょう。

・スワップポイントの支払いが生じる恐れがある
スワップポイントを受け取ることができる反面、高金利な通貨を売却して低金利な通貨を購入した場合は、スワップポイントを支払わなくてはいけません。

株式投資において、配当を受け取ることはあっても払うことはありません。しかし、FXにおいてはスワップポイントを払うこともあります。
また、ポジションを保有している期間中に金利が逆転した場合、スワップポイントを受け取っていたものを反対に支払うことになる場合もあります。

・値幅制限がなく、損失が青天井となる可能性がある
FXには一定以上の損失が発生した場合に、ロスカットによりポジションを強制的に決済する仕組みがあります。
しかし、相場が急激に変動した場合には、大きな損失が発生する可能性もあります。特に、値動きの幅の激しい通貨で取引する時、あるいは大きなレバレッジを掛けた時に起きやすくなりますので注意が必要です。

株のメリット

株のメリット

次に、株のメリットとデメリットについて紹介します。まずはメリットから解説します。

・株主優待を受けられる
株式投資においては、株主優待を受け取れる銘柄が多数存在します。配当や売却益の他に、その会社の商品や優待券などが送られることもあります。例えば、自分が愛用している商品の会社、あるいは、よく行くテーマパークの株式などを保有しているとお得です。ただし、優待がない会社や、業績などの理由により優待を廃止する会社もあるので注意しましょう。

・値動きが大きく、大きな収益を狙える
株式は値動きが大きく、大きな収益を狙うことができます。プライム市場に上場するような大企業の株式でも、数年で2~3倍という値上がりを見せることもあるでしょう。

グロース市場のような新興企業の市場では、数年で100~200倍など急激な成長を遂げる企業もあります。その反面、下落した場合も値下がり幅も大きく、会社が倒産した場合には価値がゼロになってしまう可能性もあるので注意が必要です。

・銘柄が多く、投資の選択肢が多い
日本で上場されている株式は、2022年9月末時点で3,828社です。たくさんの銘柄の中から、様々な業種や規模の投資先を選ぶことができます。比較的安定した値動きを見せる大企業から、値動きの激しい新興企業などがあり、自分のよく知る業界の株式など自分の投資の目的に応じて好きな企業を選ぶことができるでしょう。

・特定口座は確定申告不要
株式投資で得られた利益には配当所得や譲渡所得といった税金がかかりますが、特定口座を選べば配当や売却益は源泉分離課税され、確定申告が不要です。ただし、FXでは自分で確定申告する必要があります。

株のデメリット

株のデメリット

・投資対象の選定が難しい
銘柄数が多数あって選択肢が多いことは、銘柄を選びにくいというデメリットでもあります。自分の許容できるリスクを知り、どのような業種や企業に投資するのか、対価や投資の目的、スタンスを明確にした上で、ご自分に合った銘柄を選ぶことが必要です。

・初期費用が高い
株式の取引手数料は、FXに比べて高くなっています。ただし、単元未満株を選んだ場合には0円に抑えることも可能です。

・銘柄によって流動性リスクがある
取引する銘柄によっては、取引数自体が少ない場合にはすぐに約定できない場合があります。

・取引時間が限られている
株式の取引は、平日9:00~11:30と12:30~15:00に限られています。相場が動くのがこの時間帯ですので、日中忙しい会社員は仕事中の時間帯に取引されることになり、取引を注視することが難しいかもしれません。ただし、時間外でも取引できるサービスもあります。そのため、日中取引が難しい方は、そういったサービスを利用するのも良いでしょう。

初心者にはFXと株どちらがおすすめ?

初心者にはFXと株どちらがおすすめ?

FXに向いている人

・少ない資金で始めたい
FXは数千円単位の少ない資金からでも取引を開始できます。株式に比べて、気軽に始められるでしょう。ただし、株式でも単元未満株を購入し、数百円から取引できる場合もあります。

・日中以外で取引をしたい
市場が開いているのが平日の昼間の限られた時間である株式に比べ、ほぼ24時間取引できるFXは、日中以外で取引したいという方に向いているでしょう。

・短期間で大きな利益を出したい
FXは、レバレッジを掛けることで大きな利益を出すことができます。短時間で小さな値動きでも、レバレッジを掛けて増幅し、短時間の取引で利益を積み重ねて大きな利益を得ることも可能です。

株に向いている人

・株価情報を継続的に確認できる
株価情報や企業の業績などの情報を、継続的に確認できる人が向いているでしょう。株価は業績や企業の発表、事故などに敏感に反応します。株式投資では、常にそのような情報を素早くキャッチすることが大切です。

・日中も取引できる
日中に相場の変動や株価に関わる情報をチェックできる人に向いています。例えば、夜勤が多く、日中に時間があるという方は向いているかもしれません。

・中長期的に収益を狙いたい
株式投資はFXよりも長い期間で保有し、企業の成長を長い目で見て投資することが基本です。そのため、短期的な値上がりや値下がりではなく、数年~10年以上など長い期間保有できると望ましいでしょう。

・配当金や株主優待に魅力を感じる
株式を保有していると、毎年配当や株主優待を受け取ることができます。業績などにより支払われない場合もありますが、こういった点をメリットに考えられるようであれば、株式投資に向いているでしょう。

FXと株の始め方

FXと株の始め方

それでは、FXや株式を始めるにはどのようにすれば良いでしょうか。ここで詳しく解説します。

FXの始め方

まずは、投資する資金を準備します。FXも株式も、利益が出る場合もあれば損失が発生する場合もあるため、日々の生活費や将来必要になる資金を使うことは望ましくありません。損失が発生しても問題ない範囲で準備しましょう。
次に、FX会社を選定します。スプレッドなどのコストや、FX会社の健全性など確認して選んでください。

FX会社を選んだら、その会社で口座を開設しましょう。そして、取引する通貨ペアを選択
し、FX取引の注文を行います。まずは日本円と米ドル、ユーロなど、値動きが安定している先進国同士の通貨ペアを選び、少額から低いレバレッジで始めてみると良いでしょう。

株の始め方

まずは、取引の資金を準備します。この際、将来使う予定のある資金などを使わずに、減ってしまっても問題ない範囲で準備することが大切です。

次に証券会社の選定です。取引手数料や利便性などから選び、口座開設しましょう。そして、購入する銘柄を選んで注文します。銘柄を選ぶ前に、ご自分の投資の目的やスタンスを持ち、それに合った銘柄を選んでください。

まとめ

FXと株式投資の違いについて、詳しく解説しました。株式投資は財務諸表や業界の動向、同業他社と比較した場合の強みや弱み、業態の特徴など、その企業の詳細を把握しておくことが大切です。これによって、どのような時に利益が出たり、株価が上下したりしやすいのか予想しやすくなります。特に、ご自分が愛用している商品や仕事に関連する業種だと、企業情報や業界の動向もわかりやすいでしょう。

FXの場合、比較的短期での取引になるため、どちらかと言えばチャートから分析する方が有利です。財務の知識や経営に関する知識は、一朝一夕で身に付くものではありません。そのため、知識がなくてもチャートのパターンを覚えて始められる、FXからのスタートが適しているとも言えます。

その反面、株式投資をきっかけに経営や財務の知識を身に着ければ、ビジネスの面でも役立てることができます。そういった知識をじっくり勉強したいなら、株式投資の方が合っているかもしれません。

いずれにしても、まずは投資の目的やスタンスを明確にしましょう。そして、ご自分に合った方法を選ぶことが大切です。

監修者プロフィール

小川 洋平(オガワ ヨウヘイ)
日本FP協会認定 CFP®、合同会社clientsbenefit 代表、FP相談ねっと認定FP、SG中越代表

<プロフィール>
25歳でお金の知識・営業経験ゼロから保険営業の世界に飛び込み6年半従事。2年目に将来の資産形成のため金融知識が必要なことに気が付き、FPの勉強を始めて金融・経済の知識を学ぶ。その後、保険に限らずあらゆるお金の面でクライアントにとってベストな提案をしたいという想いで、商品販売ではなく相談業務を開始。2013年より資産形成の考え方に関するセミナーを自主開催。その他、大手金融機関からの委託により実施。現在は小規模事業者の年金や資産運用のサポートを中心に相談・経営支援の業務に携わり、確定拠出年金など起業家の将来の資産形成と経営のサポートを行っている。投資信託や資産形成の分野を得意としている。

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