加ドル、雇用統計に向けた思惑で上下
- ポンド、秋季予算案は財政バッファー拡大を好感
- ポンド、成長率鈍化が財政健全化へのリスク要因
- 加ドル、11月雇用統計に向けた思惑で上下
予想レンジ
| 205.00-210.00円 | 109.50-113.50円 |
12月1日週の展望
来週のポンド相場は、英秋季予算案が発表された後の底堅さが続くかに注目。リーブス英財務相は26日の議会演説で、「経済再建を強調し、緊縮財政には戻らない」と明言した。今回の予算の三本柱として、「NHS(国民保健サービス)待機リストの削減」「生活費負担の軽減」「債務・借入の削減」を掲げた。所得税の課税基準額3年間の凍結や高額不動産課税を含む増税パッケージで、年間261億ポンド程度の追加税収を確保。これにより、今後4年間の予算計画における財政バッファー(財政規律を守りながら使える余裕資金)が、約217億ポンドと3月予測から倍以上となった。市場予想を70億ドル近く上回る「余裕」が好感され、英長期債に買いが集まり(利回りは低下)、ポンドも上昇した。英議会は、この予算声明について12月2日まで議論する。質疑応答に際してのリーブス財務相やスターマー首相の発言には注意が必要だ。
懸念材料の1つは、英経済の成長率の低さ。財政を監視する独立機関の予算責任局(OBR)は、2026年の成長率見通しを従来の1.9%から1.4%まで大幅に下方修正した。その後も、年率1.5%程度の伸びに留まる。市場が注目する財政赤字の削減ペースは税収増に依存する構造であり、成長鈍化は財政健全化のリスク要因だろう。なおOBRの収支見通しによれば、基礎的財政収支の黒字化は2028-29年度、政府債務残高のピークも同時期とされている。
来週の英経済指標は11月購買担当者景気指数(PMI)が発表される。改定値ではあるが、速報値で約1年ぶりに景気判断の境目50を超えた製造業は気にかけておきたい。
加ドルは、12月5日に発表される11月雇用統計が重要イベント。それまではカナダ発の材料が少ないこともあり、対円ではドル円に連動した動きが想定される。ドル円は、臨時国会における補正予算(高市政権の大規模な経済対策を裏付け)の議論や日銀利上げへの思惑、そして急速に高まってきた米利下げ観測や米雇用関連のデータが材料視されそうだ。雇用統計は改善基調が維持できているかに注目。前回10月の新規雇用者数は減少予想から一転6.66万人増と2カ月連続の増加を記録した。もっとも内訳は、非常勤雇用者数が8.5万人増となった一方で常勤雇用者数は逆に減少していた。非常勤の動向次第では、前回から離れた結果もあり得る。なお、カナダと米国の関税交渉だが、具体的な進展はなかった。
11月24日週の回顧
ポンドは対円では週前半の204円後半を下値に強含み、2024年7月以来の207円台乗せを達成した。対ドルでは、1.30ドル後半を底に約1カ月ぶりの高値圏となる1.3260ドル台まで上昇した。対円ではリスク志向ムードの強まり、対ドルでは米金利先安観が支えとなる中、秋季予算案を経て英財政への懸念後退が後押しとなった。加ドルは、対円で110円半ばを下押し水準に持ち直すも、111円半ばでは頭を抑えられた。対ドルでは1.41加ドル前半から1.40加ドル前半まで加ドル高に振れた。米利下げ観測の高まりで、ドル売り圧力が強まった。
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