ドル円、上値を試す展開
- ドル円、円先安観や米利下げ観測の後退で堅調地合いを維持
- ドル円、介入警戒感高まるも下押しは限定的
- ユーロドル、米利下げ休止観測で上値重い
予想レンジ
| 155.00-162.00円 | 1.1300-1.1650ドル |
11月24日週の展望
ドル円は、堅調に推移しそうだ。今週は高市政権による財政拡張政策を期待した円売りが加速したが、来週も円安地合いが続くだろう。高市首相がプライマリーバランスの単年度での黒字化を取り下げたことで、ひとまずは財源問題を先送りにして積極的な財政政策を推し進める環境を着実に整えている。日銀の12月利上げ観測も後退しており、海外勢を中心に円先安観を見越した円売り・ドル買いが活発化しそうだ。
また、米利下げ観測の後退もドル円を支えるだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーから相次いで12月利下げへの慎重な姿勢が示されたことで、1カ月前までほぼ確実視されていた12月FOMCでの利下げ観測は30%台まで低下した。11月米雇用統計が10月分(失業率を除く)を含めて12月16日に公表されることが明らかになり、12月9-10日開催のFOMCに間に合わないため、これも米利下げ観測の後退につながった。さらに、円売りを促す材料としては米エヌビディアが好調な売上高見通しを発表したことだろう。人工知能(AI)業界がバブル状態にあり、高額なAI関連設備への過剰投資は持続不可能だとの懸念から足もとで半導体関連株が売られていたが、今回の好決算を受けて大きく買い戻しが進み、世界的な株高が再開する期待感が高まっている。ただ、20日のNY市場では一転して下落に転じるなど、まだまだ不安定さは拭えていない。
リスク要因としては、ドル円が1月以来の高値水準となったことで介入警戒感が高まっていることだろう。片山財務相も為替動向について「憂慮」と警戒レベルを引き上げるワードを使っている。ただ、現在の円安が日本の積極的な財政政策を背景とするならば、ファンダメンタルズに沿った動きであり、為替介入を実施する整合性が取りづらいだろう。また、例え介入を行ったとしても、海外勢を中心に円先安観を見込む向きが多いだけに下落も短期間で終わる可能性があり、限りある実弾をここで使っていいのかという議論にもなりかねない。
ユーロドルは上値が重い動きとなりそうだ。米利下げ休止観測が高まっており、しばらくはドルが底堅い動きとなることが想定される。一方、来週は27日が感謝祭で米市場が休場のため、週後半にかけては市場参加者が激減し、値動きは鈍くなりそうだ。
11月17日週の回顧
ドル円は堅調。週前半から底堅く推移。植田日銀総裁と片山財務相、城内経済財政相の三者会談では「為替について具体的な話は出なかった」と伝わると買いが加速。1月以来の高値となる157.89円まで上値を伸ばした。
ユーロドルは弱含み。米利下げ観測の後退で全般ドル高が進んだ流れに沿って一時1.1504ドルまで下落した。
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